ノモハン事件

当時のフィルムを人工知能のテクノロジーでカラーにした。長さ100kmに塹壕の跡をドローンが撮影した。1939年が可視化される。NHKのノモハン事件の特番のおかげで、太平洋戦争のときに領土問題は戦争によってしか解決しないという経験が生かされることがないことをあらためて知った。‪天皇統帥権もコントロールできないような陸軍内に存在した曖昧な領域が分析されている。戦争はだれがはじめたかははっきりしている。問題は、責任はだれも取らないという構造である。その意味で、ノモハン事件は戦争の問題だけではない。近代国家の責任なき政治災害である。この政治災害に巻き込まれたことにたいして、「バカだなあ」と片付けてしまっては、靖国神社の兵隊達が浮かばれないかな。(と感じるのは早稲田界隈で培った居酒屋エートスの影響かも。) 日本近代は陸軍ファシズムの侵略を問題にできなかったのかを考えるとき、天皇政治責任をもたせることになったーそうしてエスタブリッシュメントが好き放題なことをしたー日本近代の出発を為す明治維新の問題をどうしても避けるわけにはいかないよな。