フーコ

一望監視方式を分析した『監獄誕生』のテーマを喚起する文章。監獄の内部と外部(社会)との区別がなくなっていくと言われる。このフーコの一文は、文革の政治災害をみとめながらもなお自らのユートピアへの共感を正当化する言説に対する批判の意味ももっていたのではないか。

文化大革命期のまるで収容所の内部での手口が白日の下へと突如現れ出たかのような紅衛兵の方法、即ち人に過ちを認めさせたり再教育したり、面目を失わせるようにしたり、笑いものにした光景と、それよりも四・五年早く収容所内で体験された光景との間にある類似性、これはひどく恐ろしいことです。」(フーコ)