原発問題

浅田彰『構造と力』はよく読めていなかった本だったが、考え方として E = mc²とは「物質と情報の等価性」と読めると大胆に示唆していた部分の記憶がある。さてエネルギー供給に責任を持てという人たちにたいしては、原発でなければいけないのかと疑問をもつが、宜しい、その通りだとしよう、エネルギーが大切だと、そして市民の知る権利(危険な原発体制に介入する倫理的な責任というか)もまたエネルギーを構成していると言いたいのだけれど。そうでなければ原発事故から何も学ばなかったことになってしまうではないかと心配だ。科学と技術は政治と経済とのあいだにだけ関係を作るのだろうか。そうではあるまい。倫理とも関係をもっている。おそらく言語と深い関係をもっている。間違いなく、人間にとって原発のもたらした豊かさとは何であったのかを問う市民の思想とも関係をもつのだとおもう