聖人の夢

‪ ‪ 聖人の夢 聖人は言葉を制作した作者である。聖人はもう現れないという。制作の痕跡を辿ってウロウロウヨウヨする夢を見た。北に行くと、虚の側において自ら分割する粒子によって実在性が世界に成り立っている、と同時に、実の側で原初へ帰る方向がある。南に行くと、言葉は過去について短い記憶しかなく絶えず介入してくる虚の感情にたいして、実の世界のほうは現在に寄りかかっている。西は、虚の側では対象化された過去を必要としているが、実の側で世界は超越者を解釈している。東は、虚の世界は無限に遠く静寂で、実の世界はそこからは排除されているが、言葉と世界は統合されずにワイワイガヤガヤと分裂を生んでいる...