渋沢栄一とはだれか?

渋沢栄一は、近代日本の礎を築いた実業家というのなら、ほかの見方からは、暴力によってアジアを破壊した近代日本の礎の実業家ということにもなりましょう。渋沢は、17世紀の『論語』を体系的に読む儒者が19世紀の知識人になる時代の人ですね。わたしはいくつか彼の注釈の文を読んでいます。彼の道徳経済合一説においてみられる知識人としての見方が今日論じるに値するのかもしれません。わたしの理解ではありますが、現在の問題は、いくらアジアで「利益追求」(経済)が発展しても「道徳道理」(政治的多元主義)が生まれてこないのかという問題が大事になってきたと思います。明治維新は政治革命ではなく、ただのクーデターの暴力でしたから、明治維新150年は国家悪が追求する利益追求150年でしかありませんというのは「明治維新の近代」を勉強してきたわたしの認識であります。