‪ゴダールの『ワン・プラス・ワン』(One Plus One 1968)

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ゴダールの『ワン・プラス・ワン』(One Plus One 1968)。

<一たす一> は、<たす>にとどまる反復の系列で、交錯する多数の中断をもっている。例えば映画が示す造語、”Sovietcong”

“Freudemocracy”,”Cinémarxism” においてみることができるように、<たす> を構成しているものは、ゴダール以外に言うことができないような音と映像の関係を作る構造の探求としてある。1969年の商業映画からの決別をはっきりさせる決定的な年がくるのであるが、68年の<ロックたすゴダール>ではマルクスに広い空間が与えられている。80年代の映画(『右側に気をつけろ』)のようには、マルクスの現前が時間的に細分化されてはいない。‬80年代からは、反復の系列は、スイス人の訛った?フランス語のナレーションをもって、et..et..という思考の形式を展開する。