『東風』( Vent d'est 1969 )は、ハリウッドと修正主義、西欧とブルジョア的表象を非難する。映像と音への過剰な依存もブルジョアが生み出した多元主義がする幻想であるとして批判される。映画は何が疎外を形成するのかを明らかにすることによって、資本主義とブルジョア的ロマン主義を解体できると考えられている。正義と理性の怒り。毛沢東とブレヒトの時代のゴダール
ポストモダンのドウルーズはこういう。「ゴダールはうまいことを言っています。『正しい映像ではなく、ただの映像さ。』哲学者もこんなふうに言いきるべきだし、それだけの覚悟をもってしかるべきでしょう。『正しい理念ではなく、ただの理念さ』とね。」(『記号と事件』)