ゴダールのビデオ『ソフトとハード』
(Soft and Hard 1985)
ゴダールは鏡を見ずに髭を剃るらしい。「顔を見たくないし、髭の場所も分かっているから」とアンナーマリー・ミィエヴィルにたいしていう。彼女は言う。「コミュニケーションの映画ですって?あなた、自分が嫌いでしょ、そこが問題なのよ!」と分析する。ラカン・セミナーに参加したといわれるこのパートナーとの間で言葉のテニスをしているみたいと指摘される。反復のうちに投射される思考の形式がなんであれ、他者アンナーマリー・ミィエヴィルのおかげで、ゴダール映画は詩とアイロニーと優雅さを身につけたことはたしかである