ハムレット

ハムレットは世界に向かって自己を投げだすとき身をかわしてしまうー世界からくる死者(亡霊)と共にある自己の眼差しから己を避けるようにして。ハムレットが存在しない世界、それは宇宙創世のときと等価のカオス。論理的に先行しているのは無矛盾だけれど、不在のなかで絶えず言語的存在の意味が問われている‬...。

父殺しによって父をオイディプス的に内面化する近代にたいして、アイルランド演劇は父に殺される息子を物語るのはなぜだったのだろうか?声なき声を目に見えるようにするためにだったのだろうか。