2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

普遍主義が息詰ってきた今日において、オリジナルでなくコピーでもないような、<間>に生成していく世界に、新しい普遍主義、あたらしい人類的な思考のチャンスはないのか?

記号論的にみれば、「近代」とその発明物の「ナショナリズム」においては、オリジナルが<+>、コピーが<ー>として現れる。これとは正反対に、「脱近代」と「マルチカルチュアリズム」では、オリジナルが<->、コピーが<+>である。普遍主義が息詰っ…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 29

フーコ「言葉と物」の’人文諸科学’に分析された、レヴィストロースの三角形から着想を得たような三つのモデルとは、「経済学⇔社会学/葛藤⇔規則」、「生物学⇔心理学/機能⇔規範」、「文献学⇔文学・神話/意味作用⇔体系」である。それぞれについては、渡辺氏…

Cage and Godard

In praise of John Cage (No.2)  ジョン・ケージをたたえる

In praise of John Cage (No.2)ジョン・ケージをたたえる 「もちろんです。ソローは(ジェフーソンの<最良の政府とは最小限しか支配しな政府だ>という格言を次のように言い換えたとき)かなり明快にアナーキーを言い表わしました。しれは<最良の政府とは全く支…

In praise of John Cage (1)  ジョン・ケージをたたえる 

In praise of John Cage ジョン・ケージをたたえる あなたが有と無を対立させているかぎり、とにかく知的な分類遊び(カテゴリー)に留まっているわけです。わたしが<間にーあるー無>の話をしたときに言いたかったのは、そこで問題となっている無は…存在で…

思想史をたたえる

思想史をたたえる 思想史は、先行するものを問いて、絶えず距離を書きなおす過程です。思想史は同時に二つの方向をもっています。外の思考とこれと方向の反対向きの思考です。この両者の間に、終わりなき循環があるでしょう。たとえば、現在における、外の思…

レトリックをたたえる

レトリックをたたえる The guardian のテニスの記事に目が行ってしまいました。マレーがジョコビッチを下してworld no 1。面白いのが、マッチの長さを論じるのにマクベスの「どうせやってしまうのなら、早い方がいい(だったっけ?)」という存在論的セリフが…

アイルランドのウィットゲンシュタインが探求した「生成している世界」

アイルランドのウィットゲンシュタインが探求した「生成している世界」。無理に一つのアイデンティティに統合するから分裂の危機が起きる。分裂が先行するのではない。どんな関係を設定しない方が、ものはより豊かに、より複雑に浸透するだろう。特に組織す…

芝居「思想たちの黄昏」

芝居「思想たちの黄昏」 登場人物; 反近代 (空間1) 脱近代 (空間2)... 近代 (空間3) (筋書き) 文化大革命の政治闘争を文化闘争にしたあり方、安倍政治の宗教を文化にするあり方に、反近代主義の特に権力集中への憧憬があります。批判される脱近代主義者は、…

斜線からきた人類 No.2

Heidegger and Wittgenstein20世紀哲学の代表選手はハイデガーとウィットゲンシュタインだという。何という高さ!だけれど、「存在」は「存在者」と違うように、「学ぶ」は「教える(教育する)」と違う。と、このように「存在」も「学び」も読めるのは、対他…

21世紀には社会民主主義とマルチカルチュアリズムが成り立たなくなったようにみえる。しかし普遍主義というものがまったくゼロになったということではない。決してそうではない。ヨーロッパでは新しい普遍主義、新しい人類的視点を模索しているのだが、思考の決定的な欠如から、共同体の自立したあり方を非常に混迷した悪い形でしか考えることができないでいる

90年代からあらわになったネオリベ型グローバル資本主義の展開とアフガニスタンとイラクを爆撃した戦争で、21世紀には社会民主主義とマルチカルチュアリズムが成り立たなくなったようにみえる。しかし普遍主義というものがまったくゼロになったということで…

同一化の問題 - 民主主義を呼びかけるリベラル・エリートへの同一化が起きなかったように、現実には、反民主主義を呼びかけるトランプへの危険な同一化もそれほどには起きていないかもしれません。気になるのは、

民主主義を呼びかけたリベラルエリートは、トランプとかれの支持者達からは、反民主主義の特権的一部とみなされたということが生じたかもしれません。民主主義を呼びかけるリベラル・エリートへの同一化が起きなかったように、現実には、反民主主義を呼びか…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.45

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.45 「映画史」は「アート史への言及」を行っているようにみえるが、そこで、まさか映画をアートに委ねるつもりはないだろう。他方で抽象性の彼岸へ行くアートの方も、ハリウッド偶像に溢れた作品を展示したくないので…

ジジェクの発言 - トランプという選ばれた最悪から、リベラル・エリートによる悪夢から目覚めることができるのか、グローバル資本主義に抵抗する政治空間の再構成が生じてくるのだろうか?

歴史は「夢」を発明し続けるー「人間の顔をしたスターリニズム」から「人間の顔をしたグローバル資本主義」へと。ジジェクは、「人間の顔をしたグローバル資本主義」とみなすリベラル・エリートと、トランプと彼を支持したエリートでない人々との間の選挙戦…

2016年 ツーショットの人類史的醜悪  増殖中

2016年 ツーショットの人類史的醜悪 増殖中 ダブリンにも、フランスの極右政治家の支持率が2.5%となった事実を伝えた報道は衝撃をもって受け止められましたのは、二十年前ぐらいでしたか。なんと、現在はその娘、Jean-Marie Le Penは有力な大統領候補…

ポピュリズム

場所的にワイワイガヤガヤ、ウヨウヨウロウロしても囲まれてしまっている。東京の場合それが酷い。監獄にされてしまう。中の人間がそれを進めることもある。特に全体から人々に呼びかけるような地点を隙間なく囲い込んでくるのは、権力の起源が同様に全体か…

人口統計学者がマルクスを呼び出すとき

人口統計学者がマルクスを呼び出すとき If we were still alive today, Marx would likely have been satisfied with the results.' (Emmanuel Todd) アイルランドでよく耳にした用法だが、この仮定法過去完了でトッドがあえてマルクスを呼び出してトランプ…

漢字論とはなにか No. 3 漢字仮名交じり文を称える、 「漢字」と「漢字でないもの」との間で 

漢字仮名交じり文を称える、「漢字」と「漢字でないもの」との間で 宣長が行った「古事記」の読みは、平安時代の奈良の言葉に依っているとみられていますが、私の想像の中では、あのお喋りからは夜の海の散歩のような言い表せない拡散を感じてますが、平仮名…

NY出発の安倍首相は「(トランプと)夢を語り合う」(日経夕刊)と言っていたが、そのトランプにたいしてクルーグマンはなにを発言しているか?

また支持率があがるんだろうか?NY出発の安倍首相は「(トランプと)夢を語り合う」(日経夕刊)などと言っていたが、そのトランプにたいしてクルーグマンはなにを発言しているのか? 「市民の自由も心配しなければならない。ホワイトハウスは、明らかに権威…

試作について ー ハイデガーからの引用

芸術の本質は詩作である。詩作の本質は真理の樹立[Stiftung]である。 詩作は、贈り、根拠づけ、原初という三重の意味で樹立である。 われわれは樹立するということをここでは三重の意味で理解している。すなわち、贈ること[Schenken]としての樹立すること、…

海外の諷刺画を読む - トランプ大統領と安倍首相

海外の諷刺画を読む。安倍首相に向けて、トランプから「同盟関係」を維持しましょうとばかり握手をもとめて乗り出しているかのようです。安倍首相は彼の支持者たちに向けて都合よく演出したいようだが、これが揶揄されているのです。だが注意深く見ると、ト…

万葉集はなぜ読めないのか?

万葉集はなぜ読めないのか? 万葉集的精神はこの本から始まるという。真淵の研究はあったが、「われわれは失われたものを取り戻す」という意味の万葉集は、詩人・斎藤茂吉の前に存在しなかった、昭和の新しい価値だった。序文で書かれている、「素直で当たり…

レヴィ–ストロース

考えることをはげましてくるようなこの批判精神、なんという思考の柔軟性!レヴィ–ストロースの文を読んで何かが新しく見えてくるとき、ウィットゲンシュタインを読むときの、必ずしも正当的な枠で考えないというか、だからこそそこからはっと気がつくことが…

「野生の思考」をたたえる

「野生の思考」をたたえる 八十年代に「野生の思考」読んだときは、再読というか、再読の再読というか、既にポスト構造主義に批判的に読まれ尽くしていたレヴィ–ストロースを後追い的に読んだのである。読む前に、型にはまった観念を批判する思想を型にはめ…

批判的ロマン主義とポストモダニズム

Poets are ' mirrors of the gigantic shadows which futurity casts upon the present." ー Shelly 啓蒙主義は学の経験知を介した無限の領域を指示したが、そこに究極の美がなければ想像力の詩人はわざわざ行かぬ。生きられる肉体の限界もあり届かないだろ…

寸劇

寸劇 皇国史観:「民族よ、想像力の源よ、諸君の足下の大地を掘り起こせ!天皇の下に国家と民族が統一された最下位の層を必ず発見できるぞ、約束しよう」 ザ・民族:「そこに究極の美があれば掘るけど、どうせ借り物の文化なんでしょ?それに我々が始まる層の…

いかにこの世界の方程式が、環境の条件に敏感に依存する諸変数で複雑に構成されている

ケインズが書き直した貨幣数量説の方程式を眺めると、いかにこの世界の方程式が、環境の条件に敏感に依存する諸変数で複雑に構成されているかわかるというものである。現在進中の市場も、その「安全神話」化も、世論に依存するという変数である。問題となっ…

サンダースはなにを発言しているのか?

フェミニズム、同性愛、移民のアイデンティティーの政治は、ネオリベ型グローバル資本主義の政治のまえに敗北した。従来民主党は労働者階級を代表していたがもう代表していない。保守党に投票した労働者階級も労働者階級を代表しなくなった。だけれどね、い…

黒塗りのTPPの箱ー「自由貿易」の虫が既に脱出しているかもしれぬ?ーを擁護する者も非難する者も今から考えておくべきことはないのか?

F.フクヤマがトランプ政権成立を1989年ベルリン壁崩壊と比べられる事件だとみる。黒塗りのTPPの箱ー「自由貿易」の虫が既に脱出しているかもしれぬ?ーを擁護する者も非難する者も、孤立主義へ行く一国アメリカ主義の保護貿易主義、続く世界経済の危機的収縮…

D&G, A thousand Plateaus

Forms relate to codes and processes of coding and decoding in the parastrata; substances, being formed matters, relate to territorialities and movements of deterritorialization and reterritorialization on the epis-trata. In truth, the epis…