2015-01-01から1年間の記事一覧

今回の少女像撤去の問題から明らかになったこと

「最終的かつ不可逆的に」ですって? 笑止。なんでもかんでもカネが「最終的かつ不可逆的に」モノをいうとかんがえるようになった国にはなんの感性の進歩もありません。 ー>十億円「少女像移転が前提」、安倍首相が少女像の問題にこだわったのは、自らの支持…

関東大震災の7年後は昭和十年代のファシズムに入っていった。2011年の3・11の十年後、なにが起こるのでしょうか?だれが大川周明を再びあたらしく演じるのでしょうか?

東京演劇アンサンブル納会のとき大鷲さんと話し合ったことが、反動的に安倍自民党は明治に帰るつもりなのかという問題についてでした。むしろ帰るところは帝国主義日本の大正ではないかといったとき、そのときはきちんと根拠を示せなかったが、やはり3・11以…

イスラムが中国にあたえた影響とは?

アイルランド時代ダブリンの近所で古典ギリシャ語・ラテン語と一緒にサンスクリット語を教える凄い塾があったので数週間初心者として行ってみたが、語学の成果はゼロだったのであるが(笑)、(教会のスキャンダルに絶望した真面目な)中流の人々のアジアの言葉…

コンパクトな・・・

問題提起です。思想史が思想史として成り立つためには、思想史はどういう状態を満たさなければならないのでしょうか?講義「二十世紀精神史」の渡辺一民氏がよく口にしていた言葉が、'コンパクト'でした。「コンパクトかね?」「周密かね、そうだろう?」と…

こういう話は映画館でよく会ったアイリッシュの宗教画家からききました。顔というのは、画家にとっては、そこに信者が自らの個人的物語を投射しかねない禁じられた偶像です。だから、(過去に存在したが現在は)喪失してしまった全体的なものをもし復活させた…

詩 ー「クールなんとかなんとか」というクール語をしゃべる足跡たちをみて

眼鏡のような本でないと見えないのだが宇宙の氷河の淵に衝突した塵たちの ブラウン管のなかで「クールなんとかなんとか」という クール語をしゃべる足跡たちをみて、...重商主義国家が喋っているのかとおもってしまった わたしなら、なにもかもダメになった…

ゴダールの映画批評の意義

「私が映画の世界のなかでひとりぼっちな感じがするのは、書くために、つまり鉛筆を手に取るために、写真を必要とするような人を一人も見つけることができなかったからです」(Godard) あるユダヤ系アイリッシュの皮肉の言葉を思い出す。リムリックで最大の幸…

ポスト構造主義の哲学は福島と沖縄の問題を考えることが不可能なのか?

聖書のこの二つの文を読みとき、「文字」の侵入に怯える「息」の魂の姿がみえるようだ。Il souffla un souffle de vie (命の息を吹き入れられた)。La lettre tue, mais l'esprit vivifie (文字は殺しますが霊は生かします)。だが原初テクストで言われること…

文明と文化 ー テリー・イーグルトンの記事(2008年)を読んで

文明と文化 あるユダヤ系アイリッシュの皮肉の言葉を思い出す。リムリックで最大の幸福に感じるときは車サイドミラーに映る「リムリック」の標識文字が無限小になるときだという。同じように、大阪を楽しむようになったのは大阪から遠く離れたときからだった…

日本の哲学者の問題

別に新聞やそのほかで発言していることにケチをつけるつもりは全然ないし、その活動には敬意を表するのであるが、福島と沖縄の問題をいう日本の哲学者は、哲学者がいかに考えるのかということを読者に教えてくれないのは何故なのだろうか。日本の哲学者は、…

わたしは死刑制度に反対します。その理由は・・・

わたしは死刑制度に反対しています。その理由は・・・ 戦後日本人は日本軍国主義について知っていたので死刑反対の割合が非常に多かったといわれます。日本軍国主義と処刑の結びつきをもう忘れたのですか?とくに安倍内閣になってから死刑ラッシュのようです…

フェルメールとジョイス

フェルメールとジョイス 洋の東西を問わず、広く木版印刷や活版印刷術が普及する以前、本は筆写するものであった。中世ヨーロッパにおいて写本はキリスト教の修道院を中心に行われたのである。エーコ「薔薇の名前」の映画のなかで、「解釈するな、ただ書き写…

カラヴァッジオ、レンブラント、フェルメール、とつづいて、明日からは、ベラスケスへ行く

映画館のなかで子供のときに惹きつけられた映像とは、メリーポピンズの空飛ぶ「傘」でも、チキチキバンバンの水に浮かんですすむ「車」でもなかった。東京を舞台とした007の「忍者」ではありえなかった。私の唯一の映像は、キューブリック「2001年宇宙の旅」…

GODARD 「でもラングロワがこの世を去ったあと急にそうしたことをするために必要な条件がそろわなくなったのです・・・」。

「そのひとがジェネラル・モーターズの流れ作業のなかでなり、ある保険会社なりで働いていたとすれば、自分の労働についての写真は一枚も残っていないはずです。自分の子供の写真は何枚か残っていても、たぶんそれほど多くはないだろうし、いずれにしても、…

「夫婦別姓を認めない」とする規定は何を理由として合憲なのか?

今回の合憲判決は、国の、不合理なものへの一層の従属化を加速化させていく、間違った方向だとおもいます。合憲判断の最高裁裁判官は全員、なにを考えているのでしょうか?なかには、国が決めてくれと判決文のなかで言っている者がいるそうですが、本当にそ…

偶像破壊的な大島、脱構造的なゴダール・・・

偶像破壊的な大島、脱構造的なゴダール・・・ もう27年前のことかあ。当時野坂昭如と対談した大島渚が「あの方(ヒロヒト)は大変苦労なさった」という発言を知って失望した、怒ったという声があるが、多分それは一般的なヒューマニスティックな同情心からの…

’ユダヤ的偶像禁止‘派ランズマンと’カトリック的偶像’派ゴダールの間の論争

‪偶像というのは、映像への依存だけでなく、過剰な観念への依存を意味するらしい。反論するためにヴォルテールを読むが、ロンドンのユダヤ人に随分やっつけられたね。ナチスは映像フェチであった。彼らは何でもかんでも撮ったが、現在ガス室の中の記録映像が…

GODARDー「映画とテレビの真の歴史への手引き」

「映画とテレビの真の歴史への手引き」という題の映画の一種のシナリオを、共同プロデュース作品のようなものとしてつくろうと提案していた。その歴史が映画とテレビの真の歴史であるのは、その歴史が、文章(テクスト)からではなくー図版によって解説された…

VERMEER

VERMEER 現在アメリカの中流は半分に減ったと報じられているが、九十年代に始まるケルトの虎と呼ばれた好景気のときにはこれとは逆のことが起きた。アイルランドの中流の数が二倍になった。とはいえ、ヨーロッパの他のどこの国と比べても中流がまだ少ないこ…

MANET ET PICASSO

MANET ET PICASSO 今日フェミニズムはこの絵を非難するだろう。また植民地の風景を利用した異国趣味に先行した、男性原理のオリエンタリズムの絵として読まれるかもしれない。だがマネの絵は当時は、権威の中心からは受け入れ難い危険な破壊力をもっていた。…

「映画史」のゴダールと「想像の共同体」のアンダーソン

「想像の共同体」のアンダーソンは、もはや19世紀的な国家の実体は存在しないという。現代はNHKの7時のニュースをいかに解釈するかという読みに日本国家が存在すると彼はいうのだ。これは大切な認識だ。戦争法の「テロリスト」はグローバル資本主義に関係す…

<われわれはどこからきたのか?そしてどこへ行くのか?>という起源を物語る政治の芸術化が繰り返されているようにおもわれる。ギリギリ全体主義の左翼知識人が得意に分析してみせる'反復する歴史のリズム'も、この種の起源のでっち上げだとおもうのだが

イノセントにイギリスの議会制を称える日本人をみると、それによって地球の半分を植民地にして収奪した帝国主義を称えるどうしようもない愚かさをみてしまう。イギリス人は日本人みたいに軍国主義の自己規律にとらわれた心の冷たい冷静な人々という評判が常…

17世紀の書物 (1)

17世紀の書物 童子問(どうじもん)は、江戸時代前期(17世紀)の儒学者伊藤仁斎が著した漢文体による問答形式の儒教の概説書。円熟した仁斎は過去の自己自身に向かって質問し、初学者として想定した自己自身に答えている。ここで仁斎は「論語」を読むときの思…

思想地図、ただしただし袋小路の現代の思想地図

思想地図 ただし袋小路の現代の思想地図。今日、いかに、思考を成り立たせなくするブラックホールから脱出することが可能なのか?いかに、テクストを、外部へ繋げていくのか?包摂されることになった行き詰った文化多元性から、政治多元性の戦略へシフトでき…

戦争を繰り返さないために考えること。考えるためには、隠されたものを映像で開示すること。

海外メディアからは戦争神社だと見抜かれている靖国神社。近代祭祀国家の中心にある、闘う国家だけを祀ることを目的としたこの靖国をいかに批判的に相対化していくのか?光州事件のホン・ソンダム氏の応えは、光州事件のときと同じように、やはり映像をつく…

フェルメールの手紙を書く女たち

VERMEER モデルに着せる衣装とか小道具の絵画を買い込んでさぞ大変だったと心配するが、町医者のフェルメールにとって散財だったのは、当時大変高価でレンタル代も高い楽器だっただろう。オランダ中流は絵画マーケットというものを成立させた。それまでは絵…

表現と感化

表現する(中のものを外に出す)でいわれる意味の内容が、「伝達する」とか「表象する」というならば、芸術にとっては意味があるのは、感化(外のものを入れる)しかないと主張したいという気持ちになる。「芸術家は外形だけみるとまるでなまけているように見え…

ゴダールと、(...) et (...) et (...)を書く近代の往生還相

70年代後半モントリオールでの講義録をまとめた「映画史」原文のどの1頁をみても、(...) が多いのがわかる。なんでだろうか?ゴダール GODARDというのは、色々言われるけれど、文字を読む人の、文字の奴隷の新しいタイプなんだとおもうな。この知識人は、ポ…

自由に喋ることを非難しないでくれ

自由に喋ることを非難しないでくれ 二年前と比べて感じることは、奈落の底から、軍国主義の方向と確実に一致してきたという圧力である。全体主義も、全体主義へのアンチテーゼを包摂してきたような陰険最大化のポイントに来たようだ。安倍の憲法を微塵も尊重…

ゴダール研究 ー Godard, Histoire(s) du cinéma

至るところに徴が存在している、その存在の可能性もふくめて。そして徴について<前>と<後>の思考を成り立たせることができるのが映画たちであり映画史なのだ。複数の映画で構成される映画史だけが<前>について問うことができる。この徴が誕生する<前>に、こ…