2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

パドバ

‪今日は午後から、ガリレオがいたパドバへ行くのだけれど、タイムラインに流れてきたケインズの言葉を読んだら、ロンドンで観たブレヒト『ガリレオの生涯』でガリレオが教会の僧侶達が作った地動説を裏づけるデータを利用していた場面を思い出した。‬‪The di…

ジョイスのトリエステ

‪昨夜はローマからの乗り継ぎで、夜10時過ぎにトリエステに到着。イタリアの一番端っこはベニスではなくここトリエステ。南ヨーロッパに継がる。その意味は何か?だけれど街は闇に包まれている。十数年前にここに来たときは、このように鄙びた所に、オペラハ…

イェイツ

‪アイルランドのゲール文芸復興運動の中心にいた、詩人ウィリアム・バトラー・イェイツの作品を理解するのに少しでも役立つかもしれぬと思って、彼が興味をもったサンスクリット語の初歩の初歩をダブリンの語学塾で二カ月ぐらい勉強する気になった。5000年前…

アイルランドの20世紀

‪インド哲学と中国哲学を勉強するひとが少ないという。そういう私も勉強してこなかった哲学たちなのだけれど。今日神田の古本屋街で中村元のリグ・ベーダーの解説本をよんでいたら、イスラムが影響を受ける言い回しがあるという。と、ダブリンで原文?と英訳…

プーシキンのオペラ

‪プーシキンのオペラでの決闘の場面で、どうも詩人レンスキイは自殺した感じです。芸術・文学と学問を貴族の独占から民衆の大地に祀ること、これが詩人の願いだったのかも。そして自殺したのは詩人だけではなかったようです。貴族のオネーギンもまた事実上自…

日本近代の出発は、明治憲法の西欧近代と超憲法的なものの儒教的伝統とに規定される二重体制だったのか?

吟味されることのない人生は人間にとって生きるかいがない。同様に、過去に何が問題だったのかを問うことがない現在は、共同体にとって依拠することができないと思う。日本近代の出発は、明治憲法の西欧近代と超憲法的なものの儒教的伝統とに規定される二重…

明治の近代とは二重体制だっのか

‪宗教改革五百年とロシア革命百年の間に起きた、150年前の大政奉還(明治維新)。福沢諭吉は「門閥制度は親の敵で御座る」と言った。明治国家は儒教を完全に否定したのではなかったからだ(子安氏の津田論での解説)‬。明治憲法のヨーロッパ近代と超憲法的なもの…

ロシア革命100年の意味

‪ロシア革命が起きたこと、十代のときの私にこれを知らせてくれたのは、ショスタコーヴィッチの音楽、そして大島渚「日本の夜と霧」だった。100年の意味なんて誰も知らないとおもう。マルクスの理論でしかなかった社会主義は現実化したと思い出して、19世紀…

思想の住処

‪『ユダヤ人問題』を考える。否定の果てに行う内部の二重化は、否定する形式に拠って行うから宗教的である。マルクスは、再び内部に絡み取られないように、『ドイツイデオロギー』で交通概念へ行く。これは、オリジナル(起源)批判の70年代に、ボードリヤール…

フーコの権力論

‪芸術理論の歴史は、盲目の言葉と無言の映像という二つの非対称性の視点を以て読めば、何とか面白く読めるものだ。フーコはこの両者の間を非場所と考えた。(私の場合は盲目の映像と無言の詩かな)。さて、権力を構成する、可視的なもの(内容の形式)と言表可能…

マイナー文学の意味

‪かつてオーストリア帝国に属していた、ハプスブルク家別荘があるトリエステに、カフカの城みたいな城跡がある。ジョイスはトリエステにいた。ダブリンから行くときは、ドウルーズのマイナー文学の意味を考えた。動物に成ること、チェコ・ドイツ語+イデッシ…

国連人権理事会定期審査

国連人権理事会定期審査1、死刑廃止に関する勧告は36にも及び、圧倒的にモラトリアムを求め、死刑制度についての積極的な討論を政府が主導すべきだという勧告がなされた2、福島原発事故の被害者の人権について勧告したのは、ポルトガル、オーストリア。そ…

政治的自由と経済的自由

この五百年間の歴史をみると、‪政治的自由と経済的自由、この両者の関係は、ヨーロッパにおいては、相補的である。どちらがどちらに先行したかによって、イギリスとフランスの間の差異が説明される。ドイツは哲学の自由が両者に先行したという。近代化を百年…

絵画の歴史とはなにか

‪絵画の歴史とは何でしょうか。絵画史というのは、いかに失敗の感覚から逃げるかとする試みの歴史ではないでしょうか。世界の意味を読めなくなったところに、意味されるものと意味するものとのギャップをできるだけ小さくしてくれるのが絵画。ベケットがいう…

超憲法的なものとはなにか?

超憲法的なものとはなにか?超憲法的なものとしての国体論があって、ここから、祭政一致の祭祀的国家と国家神道が成り立っていった、と、子安氏は指摘している。敗戦後、大日本帝国憲法が終わった。だが超憲法的なものもいっしょに消滅したのだろうか?消滅…

世論調査を問う

世論調査ですが、どちらの質問の仕方がより中立的だったでしょうか?あえてわたしはノーコメント朝日新聞の質問の仕方「自民党は、国会での野党の質問時間を今よりも減らし、与党の時間を増やすことを提案しています。こうした自民党の提案に賛成ですか。反…

「ユリシーズ」

‪現代文学「ユリシーズ」は、共同体の土地を奪われた叙事詩的怨みとそれに対してとる距離を無意識としてもっている。だから主人公は最も差別されたユダヤ系アイルランド人ー今日ならばアラブ人ーでなければならなかった。同じ意味で、消滅しつつある氷河も排…

仁斎論語

「郷原は徳の賊なり」(陽貨)おおー、2500年かけて現在に届いてきたような言葉じゃありませんか。一応、仁斎の注釈(子安訳)を調べたら、孔子が、徳に似て徳に非る振る舞いをもって、郷原(共同体)を徳を乱すもの、すなわち徳の賊とするのである、とありました…

だれがアジアの精神の歴史を書くのか?

アジアの精神の歴史を書くこと1970年代から1990年代にかけて、「ヨーロッパ」は表象だった。建築物が人間の住処であるように、「映画史」が「ヨーロッパ」の住処とするポストモダンの言説があった。「映画史」はそれほど屋根もなく柱も壁もなくとも、ヨーロ…

アイルランドとは何か

‪ヨーロッパの色々な国を旅したが、アイルランドだけには行ったことがない人がいる。どんな国か聞いてくるとき、日本人にとってどういう話がリアルなのか非常に迷ってしまう。19世紀に英国によって国が奪われたことを知らない人はいないが、20世紀ヨーロッパ…

BBCのニュースが読み解く「中国」

‪BBCの解釈に国家(イギリス)がすんでいる。ヨーロッパかもしれない。BBCのニュースから、ヨーロッパがどのように「中国」を読んでいるかがわかるだけでない。今度は、「中国」と指示されているものが、他者によるこの解釈によって、自らを再構成していく可能…

21世紀の紫禁城

‪このマキャベリストはアジアに来て、ポピュリスム的偽物性を存分に発揮していますね。<マッカーサー>トランプは見事に、アベを子守するベビーシッター。紫禁城に来ては、ガイドの説明を熱心に聞く観光客アメリカ人に変身。習近平は毛沢東を演じているのか、…

韓国大統領府はトランプ大統領との夕食会に元慰安婦を招待、なぜ外務省は理解できない

‪韓国大統領府はトランプ大統領との夕食会に元慰安婦を招待した。外務省は理解できないという。なぜか?そもそも朝鮮儒学の知識人が古代日本の為に尽したその善意を踏みにじって、彼らの国を奪いとったこの国に対する恨みを考えれば理解できる。イスラムのヨ…

「なぜ、アメリカはアラブに問題を起こすのか?戦争しようとするのか?」

‪「なぜ、アメリカはアラブに問題を起こすのか?戦争しようとするのか?」カフェで、ロンドンに亡命したアルジェリア人からきかれた。イギリス人に問うことができないことを、アジア人に聞いてきたのだろう。このときは、資源が欲しいというようなわかりきっ…

世界帝国

質問「テイ デユスコロン(難しいことは何か?)」トランプ大統領「帝国としての自己(アメリカ)を知ることだ。まだアメリカだけで軍事的行動を起こすことができるが、もはやその財政的支えがない」質問「テイ デ エイウコロン(では容易なことは?)」トランプ大統…

ナショナリズム

‪国家はナショナリズムの住処である。この国の部分であるという観念と、その対を為す観念ーどこの国にも属さないとするナショナリズムーが相補的に存在するのだろう。そうして、どこの国の人の言葉かわからんけど、戦争の危険な意味づけを以て、純粋ジャパン…

トランプのジャパン訪問を読む

‪今回のトランプのジャパン訪問は大失敗でした。20世紀的な「同盟」という物の見方では通用しなくなっているから、それとは別の見方を一緒に考えてみるべきだったのですけれど、どうも何も為されなかったようですね。「同盟」という物の見方とは別の見方から…

『ユリシーズ』

「どこで書かれたのか?」という問題は、近代文学にとってはどうでもいい話である。文学を読み解くヒントとしてそんな場所の話を口にするだけでも恥ずかしいのである。ジョイス『ユリシーズ』は、近代文学に毒された日本の読者にとっては、ダブリンを舞台に…

‪「安倍さんの国じゃない、僕らの国なんだよ」という。‬‪わたしならばこう言う。‬‪「国をつくりなおそうと一生懸命になればなるほど、安倍さんの国になっちゃうんだよ。」‬‪「同盟国である」という。‬‪武器商人の大統領さんから‬そういわれて‪そんなに嬉しい…

表象と言説 ー 「安倍政治」を読み解く

‪建築物は人間の住処であるように、言説は表象の住処である。安倍政権は、‬アベノミックスのネオリベ・グローバル資本主義の対抗を演出しているが、「この道しかない」=「市場」の語で、「日本を取り戻す」の語を表象させている。問題は、いかなる言説に、そ…