2023-01-01から1年間の記事一覧

ゴダール「映画史』は面白二十世紀博物館である

No.1 ゴダール「映画史』は面白二十世紀博物館である ゴダール、トリフォーム、リベット等のヌーベルバーガーたちはブルジョアのラングロゴワが創ったシネマテックにいたのですが、ここは映画館というか、映画館を利用したいかがわしい博物館ですよね。ゴダ…

小説マルクスー未来を思い出す部屋

マルクスを書く ネット小説マルクスはロンドンに4年間滞在した時の問題意識を垣間見ることができる。英国は米国大統領(ブッシュ)を王のように考えていたブレア政権にリベラルのマスコミは反発した。マルクスは1950年代から普遍主義から離れて、普遍主義のイ…

小説大杉栄

・1923.9.16の出来事を客観的視点で構成してみた、大杉栄について書いた小説をネットで流したとき、どう読むかは読む側の自由だが、憲兵大尉甘粕正彦を描いた小説と思う人達もいた。驚いたが、この読みは正直なのかもしれない。現在なお、「自由」といわれて…

ネット小説福沢諭吉

1 福沢諭吉の西欧とは何か? 母は髪を整えてやり、諭吉の頭のシラミを取ってあげた。諭吉は母がなぜそんなことをするのかわからなかったから、ある日のこと、なぜチエのシラミを取ってやるのだと諭吉が母にたずねてみた。と、母はこのように言った。「チエは…

ゴダール

No.1ゴダール ゴダールは、暗闇のなかの人生と色のなかの人生を媒介なく衝突させる。暗闇は高慢な理性を遠くに行かないようにするためにあり、色は説明の不在な豊穣さが羽撃くようにするためにある No.2 ゴダール 『気狂いピエロ』のロケーション地はポルク…

ネット小説『最後の日本語話者』

一 天 寅吉の家の庭に松の木がある。寅吉は自分の木のしたに立っているし立たなければいけない。燃え上がる緑の木でなければならないであろう。 寅吉は江ノ島に生まれた。海を見ながら ある作家が語った言葉を思い出していた。<何者〉かが、或いは〈何物〉か…

書くこと

英訳されたマルクスの博士論文(「デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異」(英訳)を読んだ、頼りない記憶を手繰ると、デモクリトリスの原子論と共に成立した古代ギリシャの彫刻は都市を見る視線がもったと指摘した上で、彫刻は全体を代表してい…

フーコカフェーポストモダン的表象について

不条理が、列挙された物の分けられる場所である<なかで>を不可能にすることによって、列挙をささえる<と>を崩壊させてしまう。ーフーコ『言葉と物』序(渡辺一民訳)L’absurde ruine le et de l’énumération en frappant d’impossibilité le en où se répartir…

子安宣邦論ー未来を思い出す思想家は日本思想史をどう語ったか?

No.1 高校時代は全共闘運動の世代の先生もいて、中江兆民を読まされました。中江は、自由民権運動の担い手が漢文を読む活動家的知識人だったことから、ルソーのフランス語を漢語に翻訳しました。例えば、社会契約によって自然権を譲渡して国家を作れという話…

書評: 『一八世紀の秘密外交史ーロシア専制の起源カール・マルクス、カール・アウグスト•ウイットフォーゲル、石井知章+福本勝清翻訳・周雨日霏訳

ーThree quarks for Muster Mark ! 「クオーク三唱、王マークに!」 「クオーク三唱、王マークに。号令届かぬ王の声。届いたところで的外れ。」で始まる 、ジェイムス・ジョイスの「フィネガンズウェイク 」第二部、第四章では、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハ…