2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤仁斎とマルクス

伊藤仁斎とマルクス 森嶋ノイマンモデルとは、マルクス経済学に近代経済学を適用したモデルのことである。その均衡成長率は、貯蓄性向(支出構造)と剰余価値率(分配構造)と資本の有機的構成(技術的構造)とによって規定されている事を示した。現在に役立つ視点…

新植民地主義の復活。集団的自衛権をきめた閣議決定のあとに、なにをすべきか?

嗚呼、新植民地主義の復活? 集団的自衛権をきめた閣議決定のあとに、なにをすべきか!?たとえわたしは弱腰でも、人間の顔を抹殺してくるこの機械仕掛けの体系の暴力に、できるかぎり逆らってやりたいと!TRADE FOLLOWS WAR ?日本の商売がアメリカの戦争を…

ボルヘスがサッカーを憎んだ理由?

ボルヘスがサッカーを憎んだ理由?ロンドン時代にアムステルダムでグリーナーウエイPeter Greenawayの新作についての講演をきいた。6,7年前の講演か、完成したらしい。創作意欲が尽きない!ところでアメリカを拠点にしていた、ピーター・セールPeter Sellars…

絶望的な悪循環を解決するためには

集団的防衛権は、第一次世界大戦の引き金。憲法は、最悪、集団的防衛権だけはやめてくれと言っているのは明らかですから、ひどいものです。しかも集団安全保障までみとめていこうとする、はたして、集団的自衛権をもつこの国の形がさっぱりみえてきません。…

アメリカン・ドリームとチャイニーズ・ドリーム

ジジェクによると、夢(dream)という言葉は、ヨーロッパ人は米国人ほどには口にしないという。ところでファシズムは、ハリウッド映画('夢の工場')と対抗するかぎりにおいて生きながらえた。その結果'芸術としての政治'という最悪の夢を現出させてしまったとい…

サッカーには興味がない私がなにゆえに、ロンドン時代はBBCのサッカーの解説が面白くて楽しみに観ていたのか?

サッカーには興味ありませんが、ロンドン時代はBBCのサッカーの解説が面白いので楽しみに観ていました。喋る人が三人いて、左からオックスフォード中流のBBCのアナウンサー(コスモポリタン)、真ん中に労働者階級から中流に成り上がったサッカー評論家(ナシ…

芸術とはなにか?なぜ芸術はコンセプチュアルアートまでにラジカル化を遂げることが起こり得るのか?

(文学が絵画や音楽よりも偉いという意味ではありません) 、やはりどのアート作品も、中心から (脱中心から)文学の反響がないと、決定的に足りないとわたしは常に感じてしまいます。ハンナ・アーレンによると、芸術のなかで文学(詩)が思考の混沌とした運動に…

集団的自衛権が行う戦争は嘗ての総力戦ではないだろう。だけれども、その戦争は総力戦よりももっと陰険な戦争になる可能性がある

集団的自衛権が行う戦争は嘗ての総力戦ではないだろう。だけれども、その戦争は総力戦よりももっと陰険な戦争になる可能性がある。なぜか? 「歯止め」が「他国領に入らず」といっても、その「他国領」のなかでもはやかれらの「敵」が地上にいなくなってもず…

'世界史の構造'は本当に、それほど構造(脱構築の批判精神)だったのか?

問いが提出されるー'世界史の構造'は本当に、それほど構造(脱構築の批判精神)だったのか?2000年に入って'世界史'の言説が復活しているー日本だけで?否、信じがたいことに、海外の民主主義抑圧を正当化する反動的知識人において受け入れられ始めているよう…

いかなる理由で、ジョイスの脱領土化 (脱構築)の文学は、トリエステにおいて成立してくる必然性があったのか

北イタリアはオーストリアからの独立運動が起きた。赤い伯爵はミラノの独立を描いた。ヴィスコンティーの映画は、スカラ座にオーストリア軍が入る様子を描いたのである。運動が起きたのは、ミラノやベニスだけではない。アドリア海をのぞむトリエステも。'世…

大いなる幻想

大いなる幻想 嗚呼、日中関係が緊張していく息苦しさよ。互いの軍縮をめぐって中国と話し合えない!?二つの政府がいかに無能かと気がついてきました。厄介なことに、両国がお互いに、相手に向けた不信感を利用して、軍拡を推し進めているとすらみえることで…

柄谷行人の「交通」概念はどこへ消えたか -討議「帝国・儒教・東アジア」批判 、 「思想史講座;昭和思想史研究会」 「中国問題」報告 2014年6月14日

「思想史講座;昭和思想史研究会」 「中国問題」研究報告(第3回) 2014年6月14日 柄谷行人の「交通」概念はどこへ消えたか -討議「帝国・儒教・東アジア」批判 本多敬 「中国では、帝国皇権の時代はすでに過ぎ去り、再び戻ることはない。世界的にも、権威…

柄谷行人の'統整的'不確定性原理とはなにか?

柄谷行人の'統整的'不確定性原理は、<政治概念の曖昧さ>と<交通概念の曖昧さ>とを対象にする。すなわち、'政治的なもの'と'非政治的なもの'との区別が厳格になっていけばいくほど(例えば天安門事件は'政治的なもの'ではないときめつけられる)、交通概念の方…

知識人'は本当にそれほど、「死語」なのか?

'知識人'は本当にそれほど、「死語」なのか? 間違いのリスクを負いながらもあえて専門外のことについて発言していくこと、たんに抽象的な思想の羅列ではなく具体的な人間像の呈示を通して(その意味で思想に即して) 文学的に語ること、その結果生活のあらゆ…

市民の権利を踏みにじる文化を決してみとめるわけにはいない!PAS DE CULTURE SANS DROIT SOCIAUX !

柄谷行人は八十年代から読み続け二十年以上は支持してきた知識人。「世界史の構造」(岩波書店) において柄谷が打ち出した「帝国=文化=世界」が、「現代思想」(三月号)での丸川との討議によって、「帝国・儒教・東アジア」として具体的に語られたとき、(徐…

ショスタコーヴィチを聴きはじめた17歳のとき、<政治に関心を持たずに道徳的にふるまうことはできるか?>ということについて考えました

<政治に関心を持たずに道徳的にふるまうことはできるか?>については、ショスタコーヴィチを聴いたとき常に考えました。<政治に関心を持たずに道徳的にふるまうことはできるか?>Peut-on agir moralement sans s’intéresser à la politique ? これは、2013…

われわれ生活者の前から「他」の痕跡を消し去ってしまうのは、この国の大きな病とはいえないでしょうか。 ー '国立競技場の壁画、予算不足で保存できず?'

「文化帝国主義」になっては困りますけれど、ただそこでサイードがズバリ指摘したのは、現在国家の価値はもはや軍事力などではなく、所有している芸術作品の数だ、と。だからそういう意味で、今回のオリンピック会場建設を理由に、芸術家の歴史的な壁画を残…

'敵が攻撃してくるのだから集団的自衛権で自身をまもろう'という警告には、自分から攻撃して他の領土を奪い取りたいという自身の破壊的な欲望の巧みな転倒がある

転倒について絶対に許されない欲望を容赦なく非難するのが、精神分析の検閲のシステムです。欲望はいかに、この恐しい検閲の検問所を通過できるか?答えは、欲望は反対物に偽装すればよいのです。それでうまく検閲を誤魔化せますから。だから、'敵が攻撃して…

政治に関心を持たずに道徳的にふるまうことはできるか?(Peut-on agir moralement sans s’intéresser à la politique ?)- 2013年に、理系 (scientifique; S) の生徒に課されたバカロレアの哲学の問題

政治に関心を持たずに道徳的にふるまうことはできるか? (Peut-on agir moralement sans s’intéresser à la politique ?)<2013年に、理系 (scientifique; S) の生徒に課されたバカロレアの哲学の問題>言語は道具でしかないのか? (Le langage n’est-il qu’un…

母娘間亜流オィデプス・コンプレックス ー 「なぜ丸の内OLは、7-11のおいしい弁当のほうが安いのに、わざわざ高いスタバに行くのか?」

「なぜ丸の内OLは、7-11のおいしい弁当のほうが安いのに、わざわざ高いスタバに行くのか?」、と、問うている外国人特派員のtweet が話題にー ホー、これに関しては、パリの凱旋門あたりで隙間なく民族衣装を着た裕福な女性に出会うとき、連れて歩く娘達は大…

なぜ、日本語を勉強するアイリッシュの学生たちはアイヌがいかに扱わてきたのかについて非常に知りたいのか?

一般に、その国について判断する材料として、その国でマイノリティーがいかに扱われてきたのかということがあります。私の体験からいっても、日本語を勉強するアイリッシュの学生たちはアイヌがいかに扱わてきたのかについて非常に知りたいのです。外国につ…

ジジェクが、UNBELIEVABLE ! とさけぶとき

ICAの講義室壇上から、Welcome to Europe ! と、皮肉っぽく、大袈裟な身振りで挨拶してきたジジェクという学者が、ヨーロッパの友愛の象徴であるベートーヴェンの第九交響曲が、いかに、(EUの加盟を拒んでいる)トルコの行進曲に起源があるのかと見抜いたとき…

安倍内閣のバランスシート

「増税しました」 「解雇自由にします」 「残業代なくします」 「年金減らします」 「生活保障はしめつけます」 「配偶者控除はやめます」 「そのかわり法人税は下げます」 「美しい日本列島と富士山をつくりました」 「自民党がつくった美しい原発は事故を…

柄谷の彷徨える'交通'概念は、どこに現れることになったか?

1992年のAnywhereの国際シンポジウムでは、建築家たちを前に、柄谷は、交通とは共同体の空間ではなく、共同体の間に成り立つ社会的な空間であると打ち出した。交通については80年代に考えていたという。確かに「探求1」において関係(の偶然性)とかコミュニケ…

柄谷批判はいかに可能か?

思考可能な秩序あるものと思考可能な無秩序なもの。更に<思考する主体>に先行して在るのが、<思考されぬもの> (例えば、デカルトの「夢」)。さて、<思考されぬもの>と<考える主体>との関係をいかに活性化するか?がフーコにおいて問われた究極の問題である。…

心地よく沈黙に甘んじているのなら、スターリズムをノスタルジックに称えはじめた者も、スターリズムを批判する者も、社会的弱者を叩いて社会的強者の側に立ってくるという最悪の可能性も否定しきれないだろう

スターリニズムにたいする批判は、三十年代にナチス協力によって人民戦線 の崩壊を導いた歴史、戦後はハンガリー民主化運動を弾圧した歴史に即して語られます。が、正直言って、この歴史的事実よりも、八十年代に原発の安全神話に事実上同意していた周りの'…

デーア・ローアーDea Loher の「無実」UNSCHULD を読む

私のからだのなかの無数のひとりの人間が いっせいにしゃべり始めるのを感じる ー なぜ、「無実」UNSCHULD は海から始める必然性があったのか?おそらくこの作品において、作家デーア・ローアーDea Loher は、誰にも見られず聞かれなかった海の底に沈んでい…

ふくろうねこはいつも、映画が思考手段であると考えてきた J'ai toujours pensé que le cinema était un instrument de pensée

・ふくろうねこはいつも、映画が思考手段であると考えてきたJ'ai toujours pensé que le cinema était un instrument de pensée・ラディカルであるとは、事柄を根本において把握することである。だが、人間にとっての根本は、人間自身であるRadikal sein ist…

コモンウェルスの「共通の正義」といえば、ダイシーDiceyがいうような法の支配でしょうが、但しこれは民族主義者の怒りを誘発する帝国主義の正義かもしれませんね

中国の人々は、日本(アメリカに負けても中国に対していつまでも戦争を続けているつもり)をどう見ているのでしょうか? 一部の帰還兵と元捕虜における一種の心理的な病?アラブの人々は、現在なおイギリス人の中近東に向けた野心、米軍にくっついていけば旧領…