2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

未完のナショナリズムを超えていくアートは可能か?

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なぜ、アベノミクスは極限的ファシズム経済学なのか?

内閣支持率が62%に達したという(日経世論調査)。なぜ、内閣支持率が上昇しているのか?支持者たちは、日本経済が海外から繰り返し警告を受けている事実を知っているだろうか?現在有効需要が不足したまま不均衡に安定している経済の現実を正しく理解して…

権力分立は本当にそれほど権力分立なのか?

権力分立は本当にそれほど権力分立なのか?誰が市民の権利を侵害したかといえば、米国は英国議会への不信があった(’代表権なければ課税なし’)。立法を正す司法権が憲法の番人だ。他方でフランスの立法権の主導権は行政(絶対王政)に対する不信感と無関係…

書くことの問題について

書くことの問題について 12年間いたダブリンについて書きたいとおもうけど、現在は、対象(アイルランド)の外に生きているのだし代表してもいないので、(かつてのイギリス人のように、地球を眺望する植民地主義者でもない限り)、対象を一般化して書くことなど…

アイルランド映画を読み解く -ニール・ジョーダン「ブッチャーズ・ボーイズ」

ニール・ジョーダンは映画「ブッチャーズ・ボーイズ」のなかで、札つき少年の凄い幻覚を描いていた。この少年は自然誌に紹介されるような地球の裏側にいたといういかにもステレオタイプの赤毛の男の子。アイデンティティの政治が極端に行く50年代。貧困は…

政治のキャラクター化とはなにか?

政治のキャラクター化とはなにか? 漫画・アニメで感心心するのは、顔を創造してみせるというか。凄い差異化の創意工夫がある。世にいう「キャラクター論」について十分に理解してはいないが、文学に依るとどうしても一人のキャラに限りがある。ベケットの凄…

「東」と「西」の近代

「東」と「西」の近代 「東」と「西」との力の関係のことを指示しているとき、東西というのは、単に東と西の地理的分割の表象ではない。この関係は、劣ったとされた「東」は「西」に優越的な地位をみとめるという二項関係の言説に依る。たとえば植民地化した…

KANT No.7

KANT No.7 From Sciences Humaine Le projet de Critique de la raison pure Le projet de la Critique de la raison pure est exposé en préface. Tout part d’une question simple : pourquoi la science progresse-t-elle et pas la philosophie ? Commen…

ジャコメッティ

ロダンはバルザックの身体を隠していても、彫刻そのものの現前を堂々と保っている。比べると、ジャコメッティの彫刻の異様さは、モンマルトルの遠くに見えた人物達の姿をヒントにしたといわれるが、作品そのものが消えてしまいそうだというギリギリの表象に…

「公共的なもの」とはなにか

これまで公共放送は、多様性の時代に関心の異なるあまりに多くの「みなさん」を同じ方向に満足させるという困難に直面したとおもうけど、今日の問題は、この方向とは正反対に、あまりに少ない「一人」を満足させたいという無理にあるようにみえる。被災地す…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.9

ジェイムス・ジョイスの世界 No.9 近代の作家のなかで、ジョイスはファシズムの共感と植民地主義に行かなかった稀な作家である。「亡命」の定義によることであるが、ジョイスの場合は「自分で決めた亡命self-imposed exile」と自身のイタリア行きを形容した…

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.5

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.5 「『大正』を読み直す」は、日本ファシズムをいかに読むかという課題をもっている。現在の問題を明らかにするために、大衆が昭和ファシズムを担う国民になっていった言説空間が展望されていることは、新聞の書評で指摘…

ロダンのバルザック

Art

ロダンのバルザックは、一見してギリシャ彫刻の美しい裸体像と違う。健全な精神は健全な肉体に宿るとすれば、近代の人間の精神がかくも崇高に醜い肉体に定位しているのかと見る人をぞっとさせる。完全の表象が掘り崩される、近代のこの孤独な不完全さをみよ…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.6

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.6 映画の世紀といわれた20世紀はワーキング・クラスの時代であった。映画が衰退していく21世紀にその没落が起きたのは単なる偶然だろうか。そして「貴族」復興の時代?だが彼らが依存するグローバル時代の「この道しか…

裸の王様、剥き出しの国家理性 ー>リオ五輪閉会式 安倍首相の“スーパーマリオ”に非難と嘲笑

裸の王様、剥き出しの国家理性 卑小なコスプレで隠したつもりが、隠すことでかえって隠そうとした醜い姿が露わになってしまった ー>リオ五輪閉会式 安倍首相の“スーパーマリオ”に非難と嘲笑 この男は国会から離れて五輪閉会式での卑小なコスプレ姿で何をした…

本居宣長の墓が二つあるのはどうしてなのか?

typhoon... 山奥の温泉地に来たら、なんとなく三月に訪ねた伊勢のことを思い出してきた。と、おのずと、本居宣長の墓が二つある理由を考え始めている...。宣長について書いて小林秀雄は墓から問いはじめて、最終的には決定的な答えを出さなかったと記憶して…

グローバル時代のネオリベラリズムの終焉が始まった

グローバル時代のネオリベラリズムの終焉が始まったという論評を読む(ザ・ガーデイアン紙)。グローバル・デモクラシーの「公」の観念をいう思想の大転換が必要だと思った。パナマ文章問題は、国民国家の常識のままだと国の中の企業の国の外での節税の問題で…

スポーツ、スポーツ、スポーツ

スポーツ、スポーツ、スポーツ 個人の記録の達成、参加することの意義と平和のための相互理解の理念を応援しているようには全くみえませんが。メダル、メダル、メダル。だれがこんな新聞を読むんでしょうね?マスコミは若者達に徴兵に耐えられる体力が十分に…

イギリス中産階級は必死に、税金がかからない本を読む。なぜだろうか?

イギリス中産階級は必死に、税金がかからない本を読む。なぜだろうか?本というのは階級に分割されもせず階層的に秩序付けられもしていない。このことも言っておきたいのだが、翻訳のおかげでオリジナル言語に固定されないということが大事である。比べたら…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.8

ジェイムス・ジョイスの世界 No.8 「ユリシーズ」の各章が肉体の器官(腎臓、生殖器、心臓、肺、食道、脳、血、耳、筋肉、眼・鼻、子宮、神経、骨等々)に因んで名前をつけれているのはなぜか?例えば、「ハデス」章に心臓が、「さまよう岩々」章に血が、「…

KANT No,6

KANT No,6 合目的関係の創建としての完全な市民的体制の形成が「文化」の最高の対象、歴史の目的、もしくは厳密な意味で地上の最高善であるとヘーゲルはいう。現実にかつての「柔らかな個人主義」はそんな「文化」論の一つであったが、結局それが行っている…

Kant No.5 - カントとニーチェ

英語のカントなんだけれど、欲求能力は、昔買った本の中でこう訳されているな。The faculty of Desire is the being's faculty of becoming by means of its ideas the cause of the actual existence of the objects of these ideas 存在者が、かれの表象を…

文学は「虚」を発明する。文学は「実」が無いというのは、特に驚くべきことではない。

文学は「虚」を発明する。文学は選択と再構成を行い、自らを二重化していく。嘘の内部から嘘に沿って肯定の力を生み出す意味作用にそのラジカルな創造性がある。文学は「実」が無いというのは、特に驚くべきことではない。文学が「実」となるのは、嘘かその…

映画評を啓蒙する

映画評を啓蒙する 1、学生時代、ゴダール「カルメンという名の女」について説明した私の話を聞いた教授が「銀行強盗すべきではない」と言ったのは、「ゴジラがかわいそうだ」と違わないです。判断を恰も対象にたいして立法的に構成する態度がなんとも嫌です…

ネオリベラリズムについて

ネオリベラリズムは失敗した近代の神。厄介なことに、失敗するほど極端に行くそのイデオロギーを強めていく。The greater the failure, the more extreme the ideology becomes。私は嘗てスペイン王宮に仕える画家だった。近代の部屋に来た人間達の背後に、…

KANT No.2,3

KANT No.2 On peut donc voire ici que, dans le jugement du goût, il n'est rien posutlé d'autre qu'une telle voix universelle concernant la satisfaction, sans la médiation des concepts, et donc aussi par là même possibilité d'un jugement est…

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.3,4

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.3 L'espace du savoir occidentale se trouve prêt maintenant à basculer; la taxinomia dont la grand nappe universelle s'étalait en corrélation avec la possibilité d'une mathesis et qui constituait le temps …

グローバル・デモクラシーの場からの問い ー 津田左右吉のナショナリズムと丸山真男の近代

グローバル・デモクラシーの場からの問い ー津田左右吉のナショナリズムと丸山真男の近代 ウエスタン・デモクラシーというのは、西欧と名指される空間でルネッサンスから約五百年かかって一応完成した市民的体制と教えられる。このウエスタン・デモクラシー…

8月15日の意味を考える

8月15日の意味を考える 自己の主観を客観的とみなす誤謬を避けた上で、全人類の他者の立場に自己を置くという公的感覚の先験的場所を、ぎりぎり理念的というか、いや絶対的必然という意味でもはや理念の要請といえなくとも、少なくとも可能性として認めなけ…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.7

ジェイムス・ジョイスの世界 No.7 知識人にとって一番難しい本は何かという調査です。難しいというのは、結局注釈がないから、あるいはあっても十分にないので解釈が難しくなるだけ、と、こう割り切って考えてしまおうと思っています。読む人間にとっての解…