2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴダール

‪パリに着いた。わたしはフランスの絵画も文学の知識もないから、フランスの文化的抵抗といわれるものがよくわからないでいる。哲学は文化より寧ろ政治に結びついているようにみえるしね。映画を文化とみとめてくれるならばの話であるが、映画からする抵抗の…

‪アルベルト・ジャコメッテイ

‪アルベルト・ジャコメッテイによる彫刻作品ー羽根を広げた鳥?木の枝?ジグザグ線?ーはどうして、サルトル「存在と無」(ガリマール出版社)の表紙に使われているのだろうか?ロンドン時代からの長年の疑問である。今回、ジャコメッテイは最初の頃セザンヌを…

構造

中心からは考えることができない。周辺(端)においてでなければ考えられない。あえて中心はそれを考えるならば、中心は周辺がいかに考えたかを必要とする。他者を不可避とするその中心は中心でなくなり、周辺は周辺でなくなるだろう。構造がかわるということ…

エクサンプロバンス駅の窓口で喧嘩してしまい、あとで気がついたらスペインに近いCarcassonneは四時間で行けるのに八時間かかる切符を買わされてしまった。おかげでボルドー地域を見ることができたけれど、到着は夜遅い。夕食ぬき。罰せられているとはおもわ…

地域紛争を考える

‪正しくは「資本主義が」という主語をつかうべきかもしれないが、19世紀のイギリスとフランスが其々地球の半分もつことができたのは、ポルトガルとスペインそしてオランダの失敗を克服したということがあったかもしれない。問題は、帝国主義者の子孫たちが旧…

‪ 劉暁波とはだれか?

‪ 劉暁波とはだれか? 「西欧ではバッハが教会で演奏してからカラヤンがベルリンのホールで演奏するまで三百年ぐらいかかっている。日本では西欧音楽が輸入されてからわずかな時間で現代まで来ちゃっている。」(武満徹)。音楽家ならば直に音に依って自由の意…

外国へ出ると常に思うこと

便利じゃなくなる外国へ出ると常に思うことー変だと思ったら同じ質問を繰り返しくりかえし言うことが大事で、どんなに時間がかかってもいい。彼らはそうして長々と話す。日本人はスマート過ぎるんだよな、簡単に"わかっちゃう"から日常生活の隅々まで強行採…

沖縄

‪どこにも属する地中海、だが何かの部分として構成されることのない、囲い込まれないようなネットワーク、それは何と呼ばれるのでしょうか。中国大陸・朝鮮半島と繋がっていた瀬戸内海の歴史を、また琉球の歴史を考えようとしています。さて公害裁判の運動に…

マルセーユのアルトーを読む

マルセイユは初めて来ました。元々は石切りの街だったそうです。‪調べると、マルセイユの歴史は古く、小アジアから来た古代ギリシアの一民族であるポカイア人が紀元前600年頃に築いた植民市マッサリア(マッシリア)にその端を発すると記されています。1720…

セザンヌのサント・ヴィクトワール山を読む

セザンヌのサント・ヴィクトワール山を読む ‪サント=ヴィクトワール山を見にAix-en-Provencenにやってきました。だけれど実際にこれを見ても、1870年代から取り組んだ'セザンヌのサント=ヴィクトワール山'に動かされるような感慨は起きませんね。どうして…

セザンヌのサント・ヴィクトワール山を読む

セザンヌのサント・ヴィクトワール山を読む ‪サント=ヴィクトワール山を見にAix-en-Provencenにやってきました。だけれど実際にこれを見ても、1870年代から取り組んだ'セザンヌのサント=ヴィクトワール山'に動かされるような感慨は起きませんね。どうして…

サルトル

‪ヨーロッパにおけるサルトルの復活がいわれていて、それはポストコロ二アリズムからの読み直しをいうのであろうが、そこで「他者」として指示されているのは、アフリカ・アジア・ラテンアメリカにおいて読み出される反近代のあり方である。わたしはそれに反…

「人は自らの文化から自由たり得るか」

人は自らの文化から自由たり得るか (Peut-on se libérer de sa culture ?) えー、フランスの高校生はこんな難しいことをかんがているのか?難しいが、大切な問題である。私などは間違いなく落第だろうが、私なりにこの問題の解答を考えてみよう。ヨーロッパ…

夢 (dream)

ジジェクによると、ヨーロッパ人は、夢(dream)という言葉をアメリカ人ほどには口にしない。かつて、ハリウッド映画は'夢の工場'と呼ばれた。現在は、トランプの’アメリカン・ドリーム’の奪回の夢。目覚めは死、夢の生産をやめてはならぬ。たんに新自由主義・…

私は東浩紀の「観光客」になることを拒む理由とはなにか?

これからフランスに行く四つ理由を言うと、 第一に、退屈しに行く。 第二に、軽蔑されるために行く。 第三に、「美しい国」で愚かになる自身を嘲笑うために行く。 第四は、東浩紀の「観光客」=「互いに尊重し合う世界」という「帝国」知の文化的教説に騙され…

フレームワークとクローズアップ

‪ ‪ ‪ ‪ 世の中の意味は、フレームワーク(構造)とクローズアップ(「このものである」) から成り立っている。意味を与えるためには、この二つを切り離してはいけない。一緒に働く必要がある。クローズアップしている(「このものである」)が、国会にたいする政…

フレームワークとクローズアップ

‪クローズアップしているがフレームワークをともなわないのが安倍ちゃんの<ぼくちゃん何も悪くないもんねー>。フレームワークはあるのにクローズアップできないのが安倍ちゃんの<一億総活躍>。フレームワークは不在だしクローズアップも為されないのが安倍ち…

セザンヌ

CÉZANNE この絵をみたのは中学生のときで、たしかデパートの展示室でみた。なんの距離もなく、セザンヌにおける内部の中に立っているあの感覚。ここにおいて自分の感覚が方向づけられてしまったものだから、この内部から、正直言うと、別のものの見方を以て…

岡倉天心

私はきちんと理解しているのかどうかわかりませんけれど、中国文化と西欧文化が出会った場所は沢山あるのですが、岡倉天心風にいうと、この列島はその一番端っこに位置しています。様々な文化の痕跡が流れ着いてきた、文明博物館みたいなのですね。絶対の死…

演劇と政治

「偽り以外に何があるだろうか?」 (カフカ「創作ノート」)芸術は真実と嘘の両方で成り立つ。カフカには、真をいう嘘と嘘をいう嘘の区別はない。政治の場合は政治が政治であるためには真実か嘘しかない。政治の領域に芸術を持ち込むべきでないと演劇界のピ…

説明できないものを説明できないくせに勝手に決めるな!

<説明できないものを説明できないくせに勝手に決めるな!>という若者たちの抗議はその通りだ。いくら内閣支持率急落でも、つぎの<説明できないもの>を防ぐことができなければ全く意味がない

アジアの民主主義

トランプ大統領に対してあるアメリカ司法を見れば、憲法の番人の最高裁は一度も存在しなかったと言わざるを得ないですし、アベノミックスの籠の中の日銀それ自身がゼロになる前に、国連中心主義の国会もなくなってしまったのでしょうか。今回は野党は大変だ…

原初的テクストを読む

17世紀の原初的テクストの注釈をいかに読めるようにするかこの作業を四年間傍らでみてきた印象を書くと、アマチュアの立場だからみえることもある。注釈を読むこととは、「旅」というものを喚起する、起源からの「変容」かなと思うようになった。‪逆に、注釈…

ワーグナーのオペラ「ジークフリート」

今日は楽しみにしていたワーグナーのオペラへ。早起きしたのに二十分遅刻。今はジークフリートよりもミーメに人気がある。グローバル資本主義における世の中と比べてしまった。黄金の指輪の所有をめぐる私的なものが拡大し、天上界と地上界と地下世界が魔法…

詩人

昭和十年代はモノ考える人は「非国民」と指差されたら<最後>だったように、共謀罪の時代にはモノ言う人がその前に「一般人」という徴が彼/彼女/あなたにないと<始まり>がないかもしれません。ないとされてしまうというか。<最初>に来るべき詩人は、<…

イギリス人はYesかNoかと答えなければならないような質問の仕方を嫌がる

イギリス人はYesかNoかと答えなければならないような質問の仕方をすごく嫌がる。警官から質問されているように感じるからだ。だから大抵質問文は長いのである。例えば、電車の隣の日本人に、あなたは新宿に行くのか?とは直に聞かない。"あなたは新宿に行く…

共謀罪

マスコミの口を封じる圧力、秘密保護法、権利のない社会にたいする反対の声すら許さないことになりかねない危険な共謀罪の強行採決。エスカレートしていく歴史修正主義を含めて、こうしたことは全部、原発事故の隠蔽からはじまったのだ。そして、モノ言える…

共謀罪

「専門家が反対している」というのは本当ではない。共謀罪の専門家なんか成り立つことがない。学者・法律家ならば、共謀罪の最初にある非法律的要素を考えることが不可能だ。考えることができないから、考えることのできる他のもの(治安維持法)に置き換える…

もう一つの近代

‪荻生徂徠『弁名』は人類を見渡す社会哲学である。そういう哲学は徂徠によってはじめて書かれた。問題は、この『弁名』は江戸幕府によって生かされたか?ということである。を考える上でこれは一考の価値があるかもしれない。『弁名』から、江戸幕府は自ら構…

だれが最初に「ほかよりいいから」と言ったのか?

だれが最初に「ほかよりいいから」と言ったのか? • ハリウッド映画のなかでの女性の叫びですが、これはいつ成り立ったのか?(男性も叫ぶのですが、なぜか女性だけが叫ぶとされています) 叫ぶことの起源。中世のロンドンでは「あやしい人」をみたら共同体の…