2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ファシズムと戦争の区別ができていますか?

ファシズムと戦争の区別ができていますか? 1995年に鎌倉近代美術館でナチの<退廃美術展>を見学し当時の記録写真をみたとき、呈示された歴史に、矛盾の感覚にとらわれたことを覚えています。どのような芸術が非ドイツ的で、ナチス統治下の第三帝国には受け入…

進歩の感覚の囚人

進歩の感覚は、物語る特権を他人に与えます。だから経典に何が書いてあるかの質問に答える特権、「アイーダー」の神官の読むあの巨大な権力は、進歩が過去にあったと指さす。初めて言うことでもあたかも繰り返し同じ身振りとジェスチャーで指さなければなら…

「資本論」を読むというこだわりは、日本知識人だけに起きるものであるという。日本知識人となにか?その知の構造を明らかにするために

「資本論」を読むというこだわりは、日本知識人だけに起きるものであるという。日本知識人となにか?その知の構造を明らかにするために、廣松、今村、「現代日本の思想」(久野&鶴見)、柄谷がいかに「資本論」を読むのかをみていく。と、「資本論」を思考可…

白紙の本 (詩)

白紙の本 思想というのは終わらない。 消滅したときに変容しているだけだ。 思想の思想性はわれわれの側に終わらない可能性がある。2015年のブレヒトの思想は、ローザの消滅する肉体の詩を書いたほどの唯物論の、 死を超越した、唯物論的批判精神の故郷に帰…

浩宮さんは歴史修正主義の政治家と文化人たちにたいしてなにを言おうとしているのでしょうか?

浩宮さんは歴史修正主義の政治家と文化人たちにたいして、なにを言おうとしているのでしょうか? 日本の政治家と文化人たちのワンパターンに、遺族になったつもりで語るやり方があります。この遺族の語り口は政治家と文化人の語りにある種の特権性を与えます…

二つのあいだ ー 見られることしかできない可視的なものと語られることしかできない言表可能なもの

「盲目の言葉、沈黙する像」のデュラス「インデイアン・ソング」の本質を明らかにするために、フーコの「言葉と物」を分析したドゥルーズは、言葉ー>言表可能性、物ー>可視性、を導き出した。ゴダールの映画においてこそ二つの間には、絶えず非合理的な切断…

文民統制とはなにか

文民統制とはなにか 満州事変以降、日本帝国主義の土台に、2.26事件の皇道派のクーデターが起き、さらにこの事件を天皇の統帥権に基づいて利用した統制派の陸軍から、昭和ファシズムの悲惨が起きてきたと理解しています。(陸軍ファシズムの原型に、大正期に…

人文科学の私達はまだ同調しない自由がある ー 歴史修正主義者の安倍の国体論的ファシズムに抗して

ナチスはヴァイマール憲法から生じてきたならば、再び新しくヴァイマール憲法的なものがナチスから生じてくるというチャンスはないのか。歴史修正主義者の安倍の国体論的ファシズムを、東アジアと人類の平和共存を壊す靖国公式参拝と原発推進一体構造と共に…

<ナチスはヴァイマール憲法から生じてきた> ならば、再び新しく<ヴァイマール憲法的なものがナチスから生じてくる> チャンスがある、つまり安倍自民党のファシズムをいかに終わらせるかという課題のこと

<ナチスはヴァイマール憲法から生じてきた> ならば、再び新しく<ヴァイマール憲法的なものがナチスから生じてくる> チャンスがある。つまり安倍自民党のファシズムをいかに終わらせるかという課題のこと。 「さとり世代」という言葉を知っていましたか?彼ら…

安倍自民党のファシズムはいつ、始まったのか?

安倍自民党のファシズムはいつ、始まったのか? それは大正時代からと考えることはできないでしょうか。大正時代というのは、日比谷公園焼き討ち事件から既に始まり、治安維持法と(暴徒化したマルチチュードの統制のための)普選法を経て、事実上昭和の満州事…

だれが公共放送とはなにかと問うのか?

だれが公共放送とはなにかと問うのか? NHKの問題は放送の内容だけに関心がいくものでしたが、これからは一層、放送の形式について批判的に考えることが大切な課題となってきました。民主党議員の原発推進の主張にみられる無責任な右翼的立場はまったく信頼…

柄谷行人「帝国の構造」を読む ー人文科学は、「構造」を批判していく構造分析である。人文科学の対象は、人間という存在である。帝国の「構造」を擁護することではない!

柄谷行人「帝国の構造」を読む ー 人文科学は、「構造」を批判していく構造分析である。人文科学の対象は、人間という存在である。帝国の「構造」を擁護することではない! 1867年の年は、マルクス自らの手によって世に問われた「資本論」が資本主義社会…

人文科学の私達はまだ同調しない自由がある ー 曽野綾子の発言を読む

人文科学の私達はまだ同調しない自由がある ー 曽野綾子の発言を読む 「人文科学の対象は、それによって彼が取りかこまれている言語 (ランガージュ)の内部から、話しつつ、みずからの言表する語 (・・・) をみずからにたいして表象し、最終的には、言語 (ラ…

風刺画の問題 ー 宮崎駿の発言を読む

風刺画の問題 ー 宮崎駿の発言を読む 宮崎駿さんはこう語っています。「異質の文明に対して、崇拝しているものをカリカチュア(風刺画)の対象にするのは間違いだ。」しかしここで'文明'という言い方でなにを意味するでしょうか?かれがいう'崇拝するもの'は…

白紙の本 - これから何が起きるか、それだけはいつもわかる

グローバル資本主義に巻き込まれる時代に次々に起きてきた、ダブリンの2003年イラク反戦デモとロンドンの2009年G20抗議デモ、東京の2009年反原発デモはまさしく、現場的に言って、「たったいま起きたことが何なのか、それが最後までわからない。これから何が…

日本ファシズムの研究 ー全体主義と軍国主義が必ずしも同一の方向に歩まなかった例。北一輝

日本ファシズムの研究ー全体主義と軍国主義が必ずしも同一の方向に歩まなかった例。北一輝 これに関しては、チョムスキーの批判がいうような、戦後のアメリカ占領軍が潰してしまった戦前の「民主的な要素」など本当に存在していたのかは大いに疑います。たと…

フクロウねこ、内閣支持率五割に悪態をつく ー厄介なのは安倍が戦後民主主義の語彙で語っていること

フクロウねこ、内閣支持率五割に悪態をつく ー厄介なのは安倍が戦後民主主義の語彙で語ること(良い子は絶対に読まないでね) 「米軍先制攻撃でも武力行使否定せず」とする危険な集団的自衛権と特定秘密保護法を推進していく内閣でも、翼賛的に内閣支持率は5割…

一体だれが、人間性を殺戮し尽くそうとした<人種ごと居住区を分けたほうが良い>とした地獄を再びつくるのか? 私は、怒りをもって真っすぐに、曽我綾子と安倍晋三を指さします!

アパルトヘイトの最大の問題は、隔離された人々に存在すること自体に罪悪感を感じさせる抑圧にありました。アパルトヘイトというのは、壁の内側におかれた人々にわたしはXX人だから罪深いとおもわせてしまうのです。なんの根拠もない法と壁は、アフリカの人…

「現代日本の思想」(1956年, 久野収、鶴見俊輔) を読む

「現代日本の思想」(1956年, 久野収、鶴見俊輔) を読む この本は、あえて幸徳と大杉の思想の意味について深く論じないで、むしろアナキズムの思想を言うかれらの主体としての衝撃がどういうものであったかを明らかにする方法をとりました。ここから、(明治の…

失われた定理をさがしもとめて - ー <でもくらてぃあ>の決定する力

失われた定理をさがしもとめて ー <でもくらてぃあ>の決定する力 選挙に圧勝した安倍自民党のもとで、美しい日本に帰れ!とばかり再び戦前のごとき翼賛的な大合唱が起きていますが、しかしそうして演出される戦争の復讐劇、歴史修正主義の首相の靖国公式参拝…

「ユリシーズ」、方法としての白紙の本

「ユリシーズ」、方法としての白紙の本 大杉栄は1920年にこう語りました。「人生は決して定められた、すなわちちゃんと出来上がった一冊の本ではない」と。各人がそこへ一文字一文字書いてゆく、白紙の本だとしたら、ジェイムス・ジョイスは人生を模倣した本…

白紙の本

白紙の本 「しかし、人生は決して定められた、すなわちちゃんと出来上がった一冊の本ではない。各人がそこへ一文字一文字書いてゆく、白紙の本だ。人間が生きてゆくそのことがすなわち人生なのだ。労働問題とはなんぞや、という問題にしても、やはり同じこと…

注釈学の思考とはなにか?

注釈学の思考とはなにか? 注釈学の思考は民主的に、書くことの痕跡、つまり原初的テクストと翻訳とそれを解釈した言葉から成り立ちます。書くことの痕跡から、読み手は、過去の書き手がいかに読んだかを知ることができます。ところが解釈を書く国家において…

「<大正>を読む」からの問題提起 ー ' 鎌田慧ははたして大杉を読んだのか'

「<大正>を読む」からの問題提起 ' 鎌田慧ははたして大杉を読んだのか'。大杉栄の人柄的魅力を語ることを中心にしていて、思想を明らかにしているとはおもえません。「無類の人」に先行して、「無類の思想」が存在します。大杉栄の思想の痕跡から、書き手が…

ゴダール映画 「さらば、愛の言葉よ」はなにを告げにきたのか?

ゴダール映画 「さらば、愛の言葉よ」はなにを告げにきたのか? アナーキズムの法は全体主義国家を非難したとき、結果的に社会保障を否定したファシズムがあらわれることを助けてしまったとしたら、法は、自己の生存を保証してくれるものを否定した抗議者の…

2015年のフーコーとはだれか?

2015年のフーコーとはだれか? 現在のこれほどの疎外の原因を知るためには、1966年に世に出たフーコー「言葉と物」(第一章侍女たち、第十章五精神分析と文化人類学)を再び開いています。かくも構造的に取り囲まれてしまっては、人間の魂(心)が救われることは…

イマージュ、戦争、法 ー ゴダール、寺山、デュラス とともにかんがえる

「グラマトロジー」のデリダは、「表音化は一つの歴史を有しており、どんな文字もこれを絶対的に免れるということはない」という。例えば、宣長が「古事記」に行った漢字言語の表音化がその例だが、エイゼンシュタインのように映画の映像を「文字」とみなせ…

ゴダール「Adieu au langage (さらば、愛の言葉よ)」の感想文

ゴダール「Adieu au langage (さらば、愛の言葉よ)」を鑑賞しました。 ’さようなら’を言う者は、ウィットゲンシュタインの例のように、常に正反対の意味に行くことになります。 ゴダールも別れを告げたこの路に他の路(森)を見つけたが、しかしここから再びは…

現在一番知らなければならない問題といえば... - 寺山修司の言葉を読む

現在一番知らなければならない問題といえば... 「政治は主に、人たちに何かを禁じる単位である。政治的な権力は、何々を<してはいけない>ということを私たちに要求する」(寺山修司)。たしかに、原発を推進した政財官マ司の一体構造の単位は、人たちに知るこ…

ゴダールとはだれか

「グラマトロジー」のデリダは、「表音化は一つの歴史を有しており、どんな文字もこれを絶対的に免れるということはない」という。例えば、宣長が「古事記」に行った漢字言語の表音化がその例だが、エイゼンシュタインのように映画の映像を「文字」とみなせ…