2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「まさか戦前じゃあるまいし・・・」、「断じてない」

「まさか戦前じゃあるまいし・・・」、「断じてない」 戦前を経験した、わたしの知っている人びとは現在、戦前と同じようなことが繰り返されてきていると警告してきました。昔読んだ、なぜ戦争が起きるのか言ったフロイトの文を思い出します。ワイマール憲法…

演劇感想文 ー エリフリーデ・イェリネク作『エピローグ?』 のリーディング

演劇感想文 ー エリフリーデ・イェリネク作『エピローグ?』 のリーディング 「だいじょうぶ、静かに待て」。しかし3・11の原発事故のときに、ほんとうにその通りに、われわれは沈黙すべきだったのであろうか?ハンナ・アーレントはいう。「暴力が絶対的に支…

靖国神社の肖像画は可能か

「靖国神社」の肖像画はいかにして可能なのか 骸骨の死神のダンスからなにを学ぶのか?「古代」の大地の姿でコスプレしているだけの靖国神社と呼ばれてきた、この顕彰施設が、明治の近代から生まれたという意味で、近代の産物だということではないでしょうか…

世論調査の内閣支持率が下がり続けている。このまま安倍政治の終焉を迎えるのか?これからなにが起きるのか?

世論調査の内閣支持率が下がり続けています。不支持率が支持率を上回ってきた、トータルでもはやマイナスの支持率。だがこのまま安倍政治の終焉を迎えるのか?予測屋ではないし答えをもっていません。警戒しなければならないことは、お互いに各々の国内の支…

ゴダールとデュラスとのテレビ対談 (1987)

Godard; je pense que je le suis, honnêtement. A mon age, j'en ai pour deux ans à me souvenir de cette phrase que tu viens de dire. C'est comme une analyse. Pourquoi as-tu utilise telle expression comme < tu as peur des mots>.- Marguerite D…

青年たちがなぜ立ち上がるのかというと、このまま安倍政治に任せていたら自分たちに自衛隊にしか職がないという未来が必然的にやってきてしまうからです

青年たちがなぜ立ち上がるのかというと、このまま安倍政治に任せていたら自分たちに自衛隊にしか職がないという未来が必然的にやってきてしまうからです。だからこそ集団的自衛権の戦争法の強制採決に抗議しています。憲法は本来、<最低限度これだけはやめて…

歴史のもつれた輪ー必然と偶然と

歴史のもつれた輪ー必然と偶然と 飯田橋の「論語塾」後の会食のとき、再び大正論の全体像を子安氏から伺うことができました。歴史は戯曲に喩えられてきたのですが、歴史の必然に向かって進行していくシナリオに、偶然が作用することも見逃せません。(テンソ…

われわれの精神は非常に危ないところに追い詰められている...

われわれの精神は非常に危ないところに追い詰められている わたしは、国会議事堂のなかにいる人間よりも、これを取り囲む若い人々の方に自分の希望を託している。自衛隊にしか仕事がないという未来に対して抗議する若い人々に委ねた方がうまくいくとさえ考え…

基地が人びとの間に分断の境界線を作り出してしまうことの意味

沖縄では、戦後50周年に「平和の礎」というメモリアルが建立されました。沖縄戦で亡くなった二十万のすべての人びとの名前が、加害、被害、国籍、軍人如何にかかわらず、その亡くなった人の母語で石碑に刻まれています。こうした区別なく、国境をこえて死者…

思想家として称えるつもりならば、そうであるかぎり、思想家の追悼など不必要なものである。それはなぜか?

思想家はだれのモノか? ロンドン時代は、BBCのラジオ・ドラマが好きでした。スピノザの生涯というドラマが面白かったです。スピノザに関しては、それなりに成功していた一商人がある日、いかなる理由で学問をしようと考えたのか、独学でいかにあれほどの学…

人間の思想

人間の思想 イラク戦争のときは戦争反対の世論は8割でしたが、いざ戦争がはじまると今度は戦争支持が8割に達しました。あんなにブレア―の支持率が低かったなかで冷静なイギリス人ですら戦争が始まると熱狂に絡みとられたのですから、(現在下がっているとはい…

「うるさいんだよ、戦争なんか起きないんだから」と、国会議事堂前の抗議者たちにむかって、説教的ヤジを飛ばしてくるおじさんたちがいますよね

「うるさいんだよ、戦争なんか起きないんだから」 と、国会議事堂前の抗議者たちにむかって、説教的ヤジを飛ばしてくるおじさんたちがいますよね。米国に従って行けば戦争に負けない、だから仮に戦争になってもすぐに勝つから安心しろ (まじめに働いたこの俺…

「どうぞ御理解とご協力をお願いします」

「どうぞ御理解とご協力をお願いします」 警官たちは上からの命令と抗議者の罵倒にはさまれていて、なんだかやる気を失っているのではないかとおもわれる者も出てきたことにちょっと気がつきました。ところで、ロンドンの街中で、集会とデモがどこでやってい…

ジョイスのどこにも属するのにどこの部分になることがないという反時代的精神の欲望 - 「どうせ説明してもわからない」・・・ホント?

「どうせ説明してもわからない」・・・ホント? 私の場合、「どうせ説明してもわからないだろう」と答えそうになる問いに、「ジョイスはトリエステという自分で決めた亡命の地にて、ダブリンのことしか書かなかったのはなぜか?」という問いがあります。ジョ…

民主主義はまだ存在しているのか?

民主主義はまだ存在しているのか? 「民主主義は死んだ」という民主主義の存在を否定する意見がある。たとえば戦後民主主義が自らが継承者とする、治安維持法の大正デモクラシーが日比谷公園焼き討ち事件から満州事変へ至る戦争体制の統制でしかなかったとみ…

強行採決の後でも、夕方国会に行く。それはなぜなのかと自身に問う

強行採決の後でも、友達を連れて夕方国会に行きます。国会の建物がいかに、人びとを代表するというファシストに占拠され、そのファシストの言葉に掴まった国会がいかに、人びとから孤立してしまっているのか?映像の断片をみていた私と言葉の断片をみていた…

「資本論」がわれわれにとってすでに存在していたことの意味は何か ?

考えておかなければいけないことは、「資本論」がわれわれにとってすでに存在していたことの意味は何かという点ですね。労働者の階級的貧困化の必然性をいう歴史概念は、(たとえば河上筆の訳した)「資本論」の後に現れました。本質的な仕方で、このような歴…

グローバルの問題 ― ギリシャと台湾と沖縄からの視点

グローバルの問題 ― ギリシャと台湾と沖縄からの視点 Alain Badoiuが言っているように、もしギリシャはドイツの財政的助けを受けることができないのであれば、ギリシャはヨーロッパの外のロシアと中国の助けー場合によっては「敵」のトルコの助けーを求める…

第一回講義をきくと、Harveyの読みは・・・

第一回講義のHarveyの読みは、ポスト構造主義の「資本論」といってもいいと思いました。「価値は資本主義生産において固有である」でいわれる「固有」の意味が批判的に解体されています。ちなみに有名な柄谷行人「マルクスその可能性の中心」は、ポスト構造…

SUMMARY <No.6> -中国と<帝国>的視野ー「琉球」をなぜ語るのか、汪輝「世界史のなかの中国」を読む'、子安「帝国か民主か」より

・沖縄の問題を解決するために、知識人は再び、沖縄の問題を推進してきた<国家と民族>の知の構造に依拠することが倫理的にゆるされるのだろうか。ナショナリズムの自己同一の言説から、差異を語ることができるのか?いかなる国家、いかなる民族であれ、国家…

SUMMARY <No.5> ー 国家の筋を通すこと、'戦後日本論ー沖縄から見る'、子安「帝国か民主か」より

・従属関係でしかないものを対等であるとごまかすという「国家の筋を通すこと」の幻想。日米安全保障条約におけるこの幻想は「基地の島」沖縄がなければ成り立たなかった。そして幻想が幻想を生むー「日本はグローバル「帝国」時代の日米安全保障条約という…

SUMMARY <No.4> ー われわれの分裂か、'戦後日本論ー沖縄から見る'、子安「帝国か民主か」より

・子安氏は、戦後日本の分裂をいう説得力を欠いたありがちな分析をひとつ紹介しこれを批判している。その分析によれば、「日本はまず2000万のアジアの死者に謝罪すべきであると護憲派の平和主義者は主張する。それに対して、300万の自国の死者、特に兵士とし…

SUMMARY <No.3> ー沖縄と祀られない死者、'戦後日本論ー沖縄から見る'、子安「帝国か民主か」より

・戦争を推進している自分たちが何をしているのかわからなくなっている、終わりのない戦う国家の悲惨。「日本軍の組織的戦闘は終わったが、しかし司令官が自決し、しかも、生き残っている者は生きている限り最後まで戦えと言い残していったために、沖縄戦は…

インターネットの未来は、<therefore...therefore...>か、<however...however...>か?国民投票で問われたOXIの思想的意味

インターネットの未来は、<therefore...therefore...>か、<however...however...>か? なにやらFbの未来はテレパシーだという話がタイムラインに流れてきて、そのこと自体は大変興味深いのですが、ただ、それほど遠い未来でなくて、わたしが生きている間について起きそうなインターネットの未来といったらそれ</however...however...></therefore...therefore...>…

思想史

思想史 1、1968年がターニングポイントであった。1970年代以降は、知は伝統的マルクス主義から離れていくにしたがって、近代を問い直す構造とテクスト論の意義が大きくなってきた。思想において表象の多様性を論じられることになったのは、それが知の抵抗の…

SUMMARY <No.2> ー戦争の死者たち、'戦後日本論ー沖縄から見る'、子安「帝国か民主か」より

SUMMARY <No.2>ー戦争の死者たち、'戦後日本論ー沖縄から見る'、子安「帝国か民主か」より ・日本帝国の近代現代史はいかに、沖縄の上に覆いかぶさるのか?帝国の内部者の共犯者的認識には限界がある。帝国の外部を見ることができないこと、あるいは帝国の内部者で</no.2>…

SUMMARY <No.1> ー 沖縄の三つの日付、戦後日本論ー沖縄から見る、子安「帝国か民主か」より

子安宣邦「帝国か民主か」をいかに読むか 「第9章 戦後日本論ー沖縄から見る」の前置きの冒頭の言葉は、「沖縄とは」から始まっている。「中国(清)と日本と政府的には等距離の関係をもっていた琉球」と書いてある。「等距離をもっている」といわれる、ほかな…

起源フェチの全体主義をちょっぴりでも相対化するために、気がついたこと、日常的なところから

成田エクスプレスに乗ると日本語・イギリス語のあと、中国語、ハングル語という順番でアナウンスがありますが、あたかも文句なく自然に決められたような居心地よいこのワンパターンの順番に違和感を覚えるのは、私だけかもしれません。ところで古代の朝鮮半…

近代の多様性 ー たとえば近代の様態である'変な'イタリア的近代と'変な'日本的近代をかんがえる

この書き出しはいかにも柄谷的書き方ですこしばかり躊躇いたしますが、イタリアに行っている間に考えていたのは、近代の多様な実現の仕方についてです。'変な'イタリアと'変な'日本を比較するのは中々楽しいものです。しかしそうした比較のときは、ほんとう…