2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

21世紀の似非漢詩

”人外無道” ーふくろうねこ作ー 朱子の存在論的性格との差異を強調すると、仁斎の"人外無道"は人の道がいわれる、人類の立場での生成する線の理念的性格をいう。道徳が先行するのではない。対自的で対他的な方向性を初めて言うことで、朱子をひく同一性の反…

DON QUICHOTTE

DON QUICHOTTE

「エコノミスト誌」の風刺画を読む ー China is struggling to keep control over its version of the past

「エコノミスト誌」の風刺画を読む ー China is struggling to keep control over its version of the past 天安門事件広場前の抗議の前にあらわれた、巨大な本(旗?)の戦車は、なにか、「ユリシーズ」のテレマコス挿話のなかに描かれた外部を拒絶した堅固…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.42

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.42 ”モンゴメリー・クリフトが永遠の沈黙を守っているのは、何についてだったのかも忘れられてしまった。ジャネット・リーが、どうしてベイツ・モーテルに泊まったのかも。そしてどうしてテレサ・ライトが、いまだに…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.29

ジェイムス・ジョイスの世界 No.29 Did Stephen obey his sign ? スティーブンは彼の合図に応じたか? 応じた。彼は静かになかにはいりドアを閉め鎖をかけるのを手伝い、男の背中とスリッパをはいた足と点火した蝋燭のあとについて静かにホールを歩き、明か…

ヒチコック

ヒチコックは誰も成し遂げなかった宇宙の支配を獲得した、と、ゴダールはいう。ヒチコックの映画の作り方は、ハリウッド映画のシステムのように、計画の必然性が主宰してきたような支配ではなかったと言いたいのだろう。恐らく映画の表現はこれと無関係では…

リーマン・ショックとはなにであったか?

ポーランドからの出稼ぎ労働者が増えてきた年、ある日、アラブ系移民が集まるカフェの中が騒然とした。ガラス窓から外の様子を見ると、街の証券会社の前に、静かだが、異様な、長い列ができているではないか!イラク戦争介入を契機に信頼を失っても、ブレア…

盲目の言葉は、ブルジョアの直線のうちに、 高次の秩序を探し出すことはできない。 マルクス主義のこだわりに先行して、 本の正しさを証明するために世界を読んだ、 彷徨うドンキホーテのように、... 無限小の射影として、沈黙する映像をみるだけだ。 階級を…

想像力について

想像力の意味を正確に知リませんが、想像力をともなわない愛が存在しないように、愛に究極のものをみいだすどんな宗教も想像力を排除できるものではないかもしれません。想像力は人間にとって不可欠な能力です。想像力に関して問題となってくるのは、それは…

日常言語と思考の差異化の構造

アイルランドでは、あまり儀礼がなくてほんとうに助かりましたが(とくに外国人にたいしては寛容)、ただ挨拶をかわすことがとても大切なのです。時々、小津映画の人物たちのように単調にみえる挨拶ばかりしているという印象をもつほどでした。それはなぜな…

Foucault No. 29, No. 30

Foucault No. 29 Since man was constituted at a time when language was doomed to dispersion, will he not be dispersed when language regains its unity ? Foucault No. 30

In praise of Artaud アルトーを称える 神の最後のこの精子たちが人間の肉体の表面に辿りつく前に、 どこにも属すがどこかで構成されないように、 再び反復の懐妊を避けるために、 また宇宙に破裂がおきないようにと、ここに、 杖で止め刺した、動物の叫びの…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.41

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.41 ”なぜジョーン・フォンテインが断崖から身を乗り出したのかは、忘れられてしまった。ジェエリ・マクリ―が、オランダに何をしに行ったのかも。” ・ビデオ映画史では、「シーン1から行きましょう、映画風に」という…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.28

ジェイムス・ジョイスの世界 No.28 Did the man reappear elsewhere ? 男はほかの場所にまた姿をあらわしたか? 4分間ほどののちに彼の蝋燭も明滅がホールのドアの上方の半透明半円形の彩光窓ガラス越しにみとめられた。ホールのドアは蝶番を軸にして徐々に…

「教育勅語」はうっかり読むとやられてしまうので気をつけなければなりません。。「よいこともかいてある」などとおもわされてやられてしまわないように読むためには何をかんがえておくべきでしょうか?

「教育勅語」はうっかり読むとやられてしまうので気をつけなければなりません。「よいこともかいてある」などとおもわされてやられてしまわないように読むためには、最低限度、この儒教的に記されているテクストが前提としている儒教についての知識をある程…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 28

言葉と物のコンパクトな世界 No. 28 こうした錯乱状態は、言語ランガージュにたいして、特権とまでいわないまでもすくなくとも、労働あるいは生命の場合と較べて独異と見えるある運命を課することになるわけだ。(渡辺訳) 博物学の表(タブロー)が分裂さ…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.27

ジェイムス・ジョイスの世界 No.27 What discrete succession of images did Stephen meanwhile perceived ? ' その間スティーブンはいかなる影像の不連続的継起を認めたか?’... ”彼は半地下エリアの柵によりかかり台所の透明な窓ガラスごしに十蝋光のガス…

< evolution | theatre | not-evolution >

< evolution | theatre | not-evolution >

原初的テクストとはなにか No.2

原初的テクストとはなにか No.2 17世紀の本を読むとき、これに、公理に基づいて展開させるという形で、解釈とかなにかを導き出して発展させるのが近代だとしたら、それは私にとって無理な事だ。私のようなものには進歩も生産もないから。生きるに値しない世…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.40

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.40 'アルフレッド・ヒッチコックの方法への序説’・ゴダールは手で思考してきた。なぜここにヒチコックを導入しようとするのか?... ・近代が生み出した究極の夢は映画であるかもしれない。夢は、映画スクリーンをとお…

「人は平等でなければならない」と人類の理念を覚醒する白紙の本

窮極の労働法とは、思想史の様相を呈する。「人は平等でなければならない」と人類の理念を覚醒する白紙の本ではなかっただろうか。「人は平等でなければならない」は、貧富の格差を隠蔽する「人は平等である」のブルジョア国家で完成しないし、またそこから…

だれが最初に、「土人」と言ったか?

だれが最初に、「土人」と言ったか? 心に思ってもそういう言葉を出さなかった、大きな声でいうことがかつて許されなかった侮蔑の言葉。大正の帝国日本の植民地主義に連れ戻されるというか。現在もはや抑え込んだ言葉としても無くなったこの言葉を彼らが発し…

「土人」をどう読むかです

「土人」をどう読むかですー 国がやることに喝采しなければ、「土人」みたいに異議申し立てする「おまえは非国民だ!」。と、安倍首相が日本中から集めている武装警官が、表現の自由を行使する丸腰の市民の活動(非暴力抵抗)を攻撃しているのは、恐怖を以て…

Dante

And now this side of it descends the steep, Passing across the circles without escort - Dante

ジェイムス・ジョイスの世界 No.26

ジェイムス・ジョイスの世界 No.26 Did he rise uninjured by concussion ? 彼は衝撃による外傷なしに立ち上がったか? あらたに安定した均衡を得て、衝撃による震蕩はあったが外傷なしに立ち上がり、エリアのドアの掛金を、その自由に動く金属片に力を加え…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 27

言葉と物のコンパクトな世界 No. 27 表象から解き放たれた言語ランガージュは、以降今日にいたるまで、分散させられた様態でしかもはや実在しない。すなわち、文献学者にとって、様々な語は、それぞれ歴史によって構成され沈殿させられた客体の様なものであ…

ブリュンヒルデは、ファザーコンプレックスか、反対に、フェミニズムとしてみるべきなのか?昨夜は新国立劇場でワルキューレDie Walküreの4時間

ブリュンヒルデは、ファザーコンプレックスか、反対に、フェミニズムとしてみるべきなのか?昨夜は新国立劇場でワルキューレDie Walküreの4時間。なんか、ブリュンヒルが、父ヴォータンにたいして抗議したこの言葉について考えてしまったなあ。「というのも…

映画「ヴィットゲンシュタインWittgenstein」(Derek Jerman) を読む

イギリスはどこへ行くのか?今日のイギリスの問題は、1991年、マーストリッヒ条約の年に遡る。サッチャーリズム、もうすぐ労働党が推進することになる新自由・新保守主義グローバリズム、大英帝国へのノスタルジー、EUが銀行資本のための市場になってし…

原初的テクストとはなにか No.1

原初的テクストとはなにか No.1 原初的テクストというのは、こういうようなことを、高いところから躊躇なく、言うのです。「これから、二千年後に出会ったあなたたちのために、究極的なことをわたしは言います」。「一体それは何でしょうか?」。「あなたた…

言葉と物のコンパクトな世界 No. 26 

言葉と物のコンパクトな世界 No. 26 古典主義から近代性へ(こうした言葉自体はほとんど重要ではないーわれわれの前史からわれわれにとってなお同時代であるものへとでも言おうか)の境界は、語が諸表象と交叉し、おのずから物の認識を基盤目でおおうのを中…