2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

漢字論の言説

ロンドンでWittgensteinをヴィトゲンシュタインと読むと、ウィトゲンシュタインのことだとわからない人もいる。伝記を読んで映画を見ているんだけどね。単に彼のドイツ文化圏の背景を知らないだけでなくて、何となく知りたくない場合もあったのじゃないだろ…

芸術を考える

17世紀から危険なものがはじまったといってよい。芸術に委ねたらなにが起きてくるのかだれもわからないというのに、だからこそ?だれもが芸術に関心をもつというそういうことは17世紀の前に起きなかった。17世紀の前に危険なものは存在しなかった。12世紀に‪…

香港を考える

「非存在者は存在するということは証明されない。」非存在者がそれを語るときは、「わたしの存在は(形式)証明できない」と言っている。「非存在者は存在するということは証明できない」は、それ自身の否定、すなわち「非存在者は存在する」を意味しているの…

『フィネガンズ・ウェイク』

‪オスカー・ワイルドはいう。アイルランド人は自分自身について完全なものを書く必要があると。帝国オリエンタリズムが表象する“アイルランド人”が不完全であることを示してこそ自立できるからだ。そうしてワイルドの精神を継承したジョイスは宇宙を構成する…

オスカー・ワイルドとはだれなのか?

‪ワイルドの『真面目が肝心』The Importance of Being Earnestは気になる作品です。二十数年前にダブリンで最初に見た芝居でした。アイルランド版『真面目が肝心』に観客たちはびっくりしました。ワイルドの格言好きは有名ですね。『真面目が肝心』と口にす…

MEMO

香港のデモは香港のデモ以上の意味をもっている。2014年のひまわり学生運動と雨傘運動。民主アジアのあり方を考えようと呼びかけているものではないか 安倍チャンネル化しているこの国のメディアは、香港デモを「暴徒化した」と簡単に伝えてしまうまでに常に…

中西進氏に反論する

‪「中央日報」のインタビュー記事はこう書いている。「中西さんは新元号の出典元である万葉集の研究の最高権威者だ。それによると、万葉集で言及される「和」の精神は聖徳太子時代に出てきた日本最初の成文法である「十七条憲法」によく表れている。(十七条…

夏目漱石『こころ』ー子安宣邦氏の解体的読み

夏目漱石『こころ』ー子安宣邦氏の解体的読み ‪「明治28年の事件が1895年の事件とされることによって、その世界史的な意味がはじめて明らかにされる」という今日の子安宣邦氏の言葉は、確立されてしまった明治史的視点のなかでそれとは異なる世界史的視点を…

ハムレット

ハムレットは世界に向かって自己を投げだすとき身をかわしてしまうー世界からくる死者(亡霊)と共にある自己の眼差しから己を避けるようにして。ハムレットが存在しない世界、それは宇宙創世のときと等価のカオス。論理的に先行しているのは無矛盾だけれど、…

方法としてのヨーロッパ

‪ロンドン市長がトランプを20世紀の全体主義者と呼んでいるらしい。十年前の2009年ロンドンG20ー金融危機をもたらしたグローバル資本主義ーに対する抗議デモのときと雰囲気がなんだか似ているような。包囲されながら「われわれは何をやっているのか」と考え…

『インディア・ソング』(1975)

『インディア・ソング』(1975)は、ベケットとサルトル、演劇と文学から自立する映画とは何か?書くこととは何か?ラカンとフーコ『言葉と物』(ラス・メニーナスの分析)から自立する哲学とは何かを問いました。ついでにゴダールに自分のことばで喋らせるため…

MEMO

‪ LES MOTS ET LES CHOSES ‪ Absurdity destroys the and of the enumeration by making impossible the in where the things enumerated would be divided up. ーFoucault 不条理が、列挙された物の分けられる場所である<なかで>を不可能にすることによって…