表象と言説 ー 「安倍政治」を読み解く

‪建築物は人間の住処であるように、言説は表象の住処である。安倍政権は、‬アベノミックスネオリベグローバル資本主義の対抗を演出しているが、「この道しかない」=「市場」の語で、「日本を取り戻す」の語を表象させている。問題は、いかなる言説に、その語がすんでいるかにある。「国難」にたいしては、文化を以て解決するしかない(「国家神道は文化である」)、デモクラシーでは解決できないだろう、「市場」への民主的介入なんかとんでもない、ということを伝えている、とわたしは読み解いている。‪<解体>ケインズ経済学(マネタリズム・合理的期待形成学派・サプライサイド経済学)の研究のおかげで?政党間の差異が消去されることになったことが忘却されてしまったが、この忘却のもとに、もはやどこの党に入れても決められているかのようであると今日感じられる。だけれど、‬「安倍政治にNo!」は、「安倍の言説の政治にNo!」を意味していた。内閣不支持率が高いのに自民党は投票でYesを獲得した。投票とて投票以上の意味をもっている。それは数に還元できない言説のプロセスを為す。Yesと言うとき、まさに、Noと言っているのではないだろうか