ロンドン時代に作家のラビ僧からきいた話

イスラエルは、アジアの国か?アジアを植民地化するビクトリア朝最後の要塞基地か?パウンドを愛する、イスラエルから来たリベラルなラビ僧が言うには、イスラエルはアジア的専制国家のステレオタイプを逆に利用してアラブ側の人権を蹂躙している、と母国(イスラエル)にたいして抗議しました。ヨーロッパの国として人権を尊重する責任を求めたとき、この話をきいていたわたしは、はっとしたのです。これはまさしく日本のことでもあるじゃないかと気がついて非常に恥ずかしくなったことを覚えています。そしてこのラが最後に言った言葉が印象的でした。ユダヤ人が一番得意なのは教育を重じたこと。決して暴力ではなかったはずだと。この教育をアラブの人々と共有する努力を行っていけば、たとえ核兵器とアメリカに援助された軍隊をもたなくとも、アラブの人々がイスラエルをかならず生かしてくれるはずだと。それをはじめるためにも、イスラエルは現在のアラブ人一人ひとりに、すなわち十億人全員に、国をみとめてもらうという承認のための交渉をおこなうときがきているのだと。