思想史

思想史

1、1968年がターニングポイントであった。1970年代以降は、知は伝統的マルクス主義から離れていくにしたがって、近代を問い直す構造とテクスト論の意義が大きくなってきた。思想において表象の多様性を論じられることになったのは、それが知の抵抗のあり方であったからである (ポストモダン、ポスト構造主義、ポストコロニアリズム、カルチャースタディーなど。)
2、グローバル資本主義が台頭する1990年代を経て、現在の知は次第に、再び、マルクス主義のわれわれをいう普遍主義的主体の認識の場へ戻りつつあるようにみえる。ただしそれは70年代以前へ戻る単純な回帰をなすものとはおもわれない。表象の多様性を論じる普遍主義への回帰ではないだろうか。
3、総括すると、後期資本主義の思想は<差異>の構造を問うたところに、オキュパイ運動などのグローバル・デモクラシーが問うのは、1%と99% (0.1%と99.9%)を生産していくグローバル資本主義の<格差>の構造である。<差異>を問う知から<格差>を問う知への転換。<差異>を読むこと・学ぶことから、<他>を書くこと・生きることへと思想のアクセントが置かれる。思想は、この方向で、表象にどれくらい盗みがあるかを問い始めた。(ポスト構造主義アルチュセールは表象に剰余価値論を適用できるかと問うていた。) この時代に現れてきたポストモダンのモダ二ズム化の反動を批判し、またグローバル資本主義の問題を解決するという世界史的帝国論の構造、その19世紀的ヘーゲルの再語りの思想的位置と機能を批判しなければならなくなっている