エリック・ロメールÉric Rohmerをたたえる — 満月の夜 Les Nuits de la pleine lune(1984年)

満月の夜 Les Nuits de la pleine lune(1984年)をたたえる

冒頭に、「魂は二人の女性のために失われる、心は二つの家があるとき失われる」"Qui a deux femmes perd son âme, qui a deux maisons perd sa raison" ("He who has two women loses his soul. He who has two houses loses his mind.")という格言が呈示されるが、人間は二つの家をもつとどういうことが起きるのかというエリック・ロメールÉric Rohmerの問題提起が素晴らしい。低予算映画の探求の精神、ここにあり。明確な回答はないのだけれど、ロメールのようには、二つのものをただ一つのものに統一する必要がないとかんがえてきたのが、ゴダールであろう。ヌーヴェルバーグと彼が呼ぶ運動が収斂するような一つの起源(家)なんて存在しない。いまロメール特集をやっているFull Moon in Paris (French: Les Nuits de la pleine lune) is a 1984 French film directed and written by Éric Rohmer.