エマニュエル・トッドのインタビュー記事をよむ

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英の国民投票の結果を解釈するのは難しい。エマニュエル・トッド日経新聞のインタビューで、「エリート層への反乱は英の伝統ではない」という。成程たしかに、フランスとは違うことは分かる。だが、「反乱」でなくとも、一つの階級が推し進めた政治ではなかったか?脱イデオロギーの知識人は階級の教説で読み解くことを拒むだろうが、だがイギリスにおける階級を隠ぺいすると、その無理を取り繕うために、19世紀的地政学の方向への時代遅れの傾斜が益々深まるという印象がある。(以前の本の中で彼が怒っていたようには)まだドイツ帝国の一部になっていないとおもうが、フランスの固有名詞が殆ど出てこない。もはやフランスの視点からは、'ドイツ帝国'(ドイツ銀行)となっている観のあるEUのあり方を非難できない?しかしそれをイギリスに、言い換えるとアメリカの'イギリス'に求めるのか?最後に、英のEU離脱から日本は何を学べますか?と記者はきいた。トッドの回答はよく理解できなかったが、日本のことなど考えている暇もないのだろう。EU離脱をきめた英の国民投票の結果はレイシズムかポピュリスムなのかはまだわからないが、問題は、国民投票の結果を自分たちに都合よく読んだ極右翼の移民差別が激化することだ。問題は、差別が世界に与える影響、特に安倍自民党の日本へ与える影響だと私は非常に深刻にかんがえている。