「人は平等でなければならない」と人類の理念を覚醒する白紙の本

  • 窮極の労働法とは、思想史の様相を呈する。「人は平等でなければならない」と人類の理念を覚醒する白紙の本ではなかっただろうか。「人は平等でなければならない」は、貧富の格差を隠蔽する「人は平等である」のブルジョア国家で完成しないし、またそこから外部の他民族を収奪する帝国主義でも完成することがなかったことを書く。ここで言っておきたいことは、今日帝国か帝国主義なのかを見極めなければならなくなってきた点である。またスターリン主義全体主義の<後>に生きる現在のわれわれは、それが、紀元前から2000年以上の知を結集したといえるような唯物史観の観念でも完成することがなかったことをどうしても考えざるを得ないことになったと書くだろう。現実をこれ以上リアルにみることができないほどだと自負する観念に絡みとられることになった現実が問題となったときに、観念を否定しても、理念という人間の思考の方向性それ自体を否定しきってしまう必要はなかったのであるけれど。党派にくみすることがなくイデオロギーをもたなくとも、自発性には自らを時代と等価とするほどの思考が要請される、このことをやっと知る。わたしの白紙の本をはじめ、未だにこのことをしっかりと書いていないものだから集まってくる人々が十万を超えることがなく政治も動くことがないのではないだろうか。

 

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