ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.44

  • ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.44

  • ヒチコックというのは、ドラキュラがそれほどどこから来たかという起源もなくそして明確な像もなく増殖していくように、「ヒチコック的なもの」を増殖させていく。「海外特派員」(1940)「サイコ」(1960)「疑惑の影」(1943)「間違えられた男」(1957)「汚名」(1946)「断崖」(1941)「北北西に進路をとれ」(1959)「見知らぬ乗客」(1951)からの映像が水が流れるように次々と呈示される。ゴダールと問題となってくるのは、増殖する「ヒチコック的なもの」の奇跡から、いかに、思考を自立させていくかである。

 
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