アイルランド文学、"父殺し"としての文学

アイルランドは英国の無意識を構成する"ニュー・イングランド"であったという。アイルランドの"英語"で書く作家達についての分析は精神分析の様相を呈す。ナショナルな自己同一性に絡み取られない作家達を敢えてイギリス文学の息子とみなすとき、彼らの文学は方法としての"父殺し"となる。諸々の諸部分の傍らに一つの全体性を生み出すことができれば、そこでエクリチュールだけでなく書かれた語りと声も利用される。植民主義者がもっとおそれるのは、"父"からのこの種の自立性なのだ

ワイルドはゲール文芸復興ケルト神話に殆ど依拠しないのは、神話にはそれを欠けば植民地主義者が安心できない秩序が内在していると考えたから。「古事記」も津田が見抜く支配がある

「歴史は一つではない」と言うために、英雄物語の「古事記」が読み継がれてきたと嘘を言っちゃうの、なんで?まさか、「歴史は一つではない」とは全く反対のことを伝えちゃっている