オペラ『パルジファル』(ワーグナー)を読む

‪オペラ『パルジファル』(ワーグナー)を読む

今日は、19世紀ワーグナーのオペラ『パルジファル』をMET映画オペラ(2012)で観ました。原作は中世の祭祀国家を舞台にしています。共同体の成り立ちのためには、客観的なもの(「聖杯」「槍」「大地」など)との関係が不可欠。それにとどまらずに、これらの象徴が身体に対してとる配置関係がすごく大事ということを思います。これによって、分裂の危機にある社会を救うことができるという政治的な意味をもつのですね。演出家はグレン・グールドの映画を作っているような人で、近代というのはいかに自らを過去の姿において表現するものなのかを問おうとしているところがありましたよね。

‪第三幕で前奏曲は、パルジファルの彷徨・遍歴を示す。前奏曲というのは、どこにも属するが部分とならない<間>である。前奏曲の意味を知りつつある。さてパルジファルテノール)を、隠者となったグルネマンツ(バス)が出迎える。祭祀国家の象徴をリアルに感じないのがクンドリ(ソプラノ)だろうね‬