カント

‪『判断力批判』は18世紀終に書かれた、カントによる三大批判の一つで、目的の表象なき対象の主観的合目的性の形式について論じられる。美を論じるためには『判断力批判』からスタートできたが、なぜ、『純粋理性批判』(第一批判)と『実践理性批判』(第二批判)から始めることになったのかと敢えて問うてみよう。わたしは答えをもっていないが、おそらくは、いきなり、美を語ることはできなかった。第一批判と第二批判における分析で成り立つことになった「信」の構造からでなければ、多様性であるところの、判断の感情(「崇高である」とか)の大きさを展望できなかったとしかいえないのである。