スペイン市民戦争

スペイン市民戦争を考えることは、20世紀において連帯の国際性と普遍性を我がものとして獲得していく、精神の歴史を考えることである。人民戦線のことは、80年代の公害運動の座り込みの現場でそれを語る人から知ることになった。さて人民戦線は、33年にフランスで、36年にスペインで成立した。37年7月にフランコ将軍の反乱、スペイン市民戦争が起きる。8月及び9月にナチスポーランド侵攻チェコ侵攻。ミュンヘン協定の締結。ケン・ローチ『大地と自由』(Land and Freedom、1995)はスペイン内戦を舞台として、ジョージ・オーウェルのカタロニア讃歌を思わせる設定となっている。(カタロニア讃歌は、人民戦線側を内紛へと導いたスターリン主義と非人間的な政党政治への強烈な批判が語られている。そんな中でも人間味を失わないスペイン人とカタロニア人に対する、オーウェルの愛情と尊敬も語られている。) ケン・ローチは映画を通して、ファシズムに対する抵抗が組織化されていくなかで自発性というものが抑圧されていく問題を明らかにしたとわたしは考える。そしてこの問題は、『麦の穂をゆらす風』(The Wind That Shakes the Barley、2006)においても貫かれている。『大地と自由』から、『麦の穂をゆらす風』で描かれたアイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦の意味をよく理解できるのだとおもう。(ちなみにアイルランドからスペインに行った人々の半分が人民戦線に、半分がフランコについた。)‬