資本主義のボストンか、あるいは社会主義のベルリンへ行くのか?と、このことが繰り返しいわれてきた、私が8年間すんでいた、南アイルランドというのは常に、この米国とEUという、将来二つの帝国として現れるのではないかと予測されるその原初形態の諸基底に綱渡り的に規定されつづけてきたといえます。さて「オリエンタリズム」か「文化帝国主義」の最後に、'フィールドデイ'という地域紛争の演劇の自発的介入の例をひいた、サィードが、グローバル資本主義時代の知識人に託したのは、一体何だったでしょうか?おそらく一方的に帝国の側に行かず、また、再び民族主義にも戻らないような、自立へ行く世界普遍の思想の再構成ではなかったでしょうか。この「文化帝国主義」は、四年間のイギリス滞在時代に読んだのを覚えていますが、その真価がよくわかりませんでした。が、今回台湾に行くことで、いったい何がグローバル資本主義の問題を構成しているのかこうしたことがはっきりとわかってきました。迎え入れてくれた台湾の人々と子安先生に改めて感謝いたします!