A terrible beauty is born - イェーツ W.B.Yeats

「いくつかの革命というようなものは存在しなかった、存在するのは永遠につづくただ一つの同じ革命だ」という観念が生まれたのは、19世紀の中頃のことであった、と、ハンナ・アーレントは指摘している。言論によっては覆せない絶対権威にたいして行使される暴力の衝撃のことをどう語るか?それを言葉をもって説明するとその衝撃を失ってしまうだろう。衝撃を保ちながら語ることは不可能だから、それは「赤ん坊と老人は世界を見るだけだ」(ゴダール)でいわれるような状態のことをいうのではないかと想像する。ここで、「赤ん坊」と「老人」ははじめと終わりの交錯をあらわす?)発話の能力を得ることができない、その反復不可能な反復性は、敢えて語ってみるとすれば、イェーツ W.B.Yeats の詩にあるように、A terrible beauty is born としかいえないものなのだ。フランス革命の衝撃の痕跡は、文化論的言説ー溝口雄三の「衝撃」とか「世界史の構造」のあちらこちら散らばっているヘーゲル的国取り物語的「戦争」とかーによって消されようとしている。だが、存在する永遠につづくただ一つの同じ革命の痕跡、これは、原罪として語られてきたものと同様に、完全に消されえるものではない。

work by takashihonda

 

本多 敬さんの写真