書くことは系列・連鎖・生成。書くことは即ち過程。書くことにとって、起源は特別な意味をもたない。

書くこと

 

 

書くことは系列・連鎖・生成。書くことは即ち過程。書くことにとって、起源は特別な意味をもたない。書くことは対象をもたないのだ。そうして書くことはなにでもないにも関わらず、完成された何かの真理の内側に向かって絡みとられることが常に起きる。左手は完成された近代の無限未来から現在の未成熟に肩をすくめるとしたら、この反対の方向から、右手は完成されたナショナリズムの無限過去から現在の成熟を嘆く。左手も右手も、書くこと自体が未完成であるとラジカルに考えるよりは、裏切られたから書くことが完成しなかったと感じてきたのである。どういう内容のものが投射されるかわからないが、裏切りは反復するだろう...だが人は書くことを自身のものにしたときは、この反復は書くことを包摂することができないのである。