映画史

「映画史」とは、自らを編集する歴史であり、そのとき過去に依拠しながら未来を思いだす知に属する。それはふたつの方向性をもつようにおもわれる。時代順序に基づく実証的な方向性と思想史的な方向性とである。言い換えると、全体が包摂する<他なき>方向性と、絶えざる解体と再結合の<他の読みへ行く>「解体された本」の方向性。この知の近傍に、映画の歴史を語る、復古主義的でないような芸術至上主義も現れる(ゴダール)