2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「ドイツという国は存在しない」という戦後にいわれた言葉。この言葉から大きな衝撃をうけます。

「ドイツという国は存在しない」という戦後にいわれた言葉。この言葉から大きな衝撃をうけます。アイルランドにすんでいればアイルランドという国しか存在しないとおもうからです。しかしアーレントとその「世界市民」の思想に共感をもつ者は少なくありませ…

加藤泰

加藤泰は名前しか知りませんでしたが、京橋フィルムセンターで何本か作品を観ることができました。世界中でかれの映画を上映しているのはここだけ

METのオペラ実況映画、ヴェルディ<イル・トロヴァトーレ>をみた

昨日は日本橋で、久しぶりに、METのオペラ実況映画にいってきた。映画の中のインタビューをきくと、現在活躍している歌手はロシアや東欧出身のひとばかりだね、イタリア人の歌手が本当に少ないと気がついてハッとする。ソプラノにイタリア人歌手なんかいるの…

皇室典範の改正を改憲に結びつけるような世論誘導に反対すること、と同時に、安倍自民党に対する政治的な抵抗に天皇を絡ませることがないようにすること。

高校生ならば大日本帝国憲法を読めるが、ファショ的な靖国言説と一体化するとたちまちこれを理解できなくなるね。クリアーな天皇機関説は、やはり天皇主権を否定しないとその理解がすこぶる困難となろう。国の権威主義的漢文学者が書いた原稿を読み上げる昭…

(全文) チェ―ホフとはだれだったのか? ― 「壁なき演劇センター」主催の演劇集団ア・ラ・プラスのチェ―ホフ「かもめ」を読む

チェ―ホフとはだれだったのか? - 方法としての演劇 1 壁なき演劇センター主催「かもめ」(チェーホフ作・神西清訳・杉山剛志演出構成)集団ア・ラ・プラス公演を観た。劇中でトリゴーリンやコスチャが語る芸術論は作者自身の芸術観を代弁するものとなって…

チェ―ホフとはだれだったのか?- 方法としての演劇

チェ―ホフとはだれだったのか?- 方法としての演劇 「言葉、言葉、言葉」、と、作家志望のコスチャは苛立ちをもってシェークスピアの言葉をひく。戯曲の存在は演劇にとって不可避な理性のようなものである。演劇は、映画カメラが経験世界とらえるように、言…

「いやしくも美に関する判断にいささかでも関心が交わるならば、その美学的判断は甚しく不公平である」というのは何故か?

「いやしくも美に関する判断にいささかでも関心が交わるならば、その美学的判断は甚しく不公平である」というのは何故か?芸術の場合は、悟性は快・不快と結びつく対象を考えることができない。感性によって与えられた対象を考えるという関心が科学において…

現代アートとは何か

現代アートとは何か 感性によって対象が我々に与えられ、悟性は対象を考える。此処に経験というものが成り立つという。悟性は快・不快に結びつく対象を考えられないから、緩やかに感性に関わるとしか言いようがない(例えば、詩の芸術、物で書いた詩の芸術も…

フラッシュバック - 近代日本

フラッシュバック 近代日本は、西欧で決して実現しなかったオリジナルな近代を始めるだけだという思いがあったでしょう。近代は、ヨーロッパ帰りの夏目漱石が日本近代は「浅い」と歎いたとき、近世のアジアに属していた普遍主義を完全に断ち切った自らの出発…

石川台駅

石川台駅

チェーホフが取り組んでいた文学者=知識人の問題をいかに大衆社会の現在に伝えるか?

チェーホフ「かもめ」のセリフで「古い形式か新しい形式かということではなく、人間か書くということが問題なのだ」と訴えていた言葉があった。心に響く。マルクスの言葉を考えた。「ラディカルであるとは、事柄を根本において把握することである。だが、人…

壁なき演劇センター主催「かもめ」(チェーホフ作・神西清訳・杉山剛志演出構成)集団ア・ラ・プラス公演を観た。

壁なき演劇センター主催「かもめ」(チェーホフ作・神西清訳・杉山剛志演出構成)集団ア・ラ・プラス公演を観た。 劇中でトリゴーリンやコスチャが語る芸術論は作者自身の芸術観を代弁するものとなっているという。役者たちが訴える作家生活の内情はチェーホ…

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.2

「言葉と物」のコンパクトな世界 No.2 長年避けてきたのであるが、ようやくニーチェのことを考えはじめた。どうして考えはじめたのかを自分で考えるために、フーコのリカード・マルクス・ニーチェを論じている文章を読んでいたが、この際あらためて「言葉と…

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.5

ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.5 L'appareil de projection, la cabine, et l'être humain qui se projettre au monde. J'aime cette idée des homes qui se projettent au lieu de se rejette. C'est une idée qui est en train de mourir, parce qu…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.6

ジェイムス・ジョイスの世界 No.6 嘗てのアイルランド独立運動のナショナリスト達がギリシア神話に登場する単眼の巨人の役割を演じる意味が問われる<挿話キュクロプス>において、自らをアイルランドの「市民」であると言うブルームの受難が指示される。こ…

書くことは系列・連鎖・生成。書くことは即ち過程。書くことにとって、起源は特別な意味をもたない。

書くこと 書くことは系列・連鎖・生成。書くことは即ち過程。書くことにとって、起源は特別な意味をもたない。書くことは対象をもたないのだ。そうして書くことはなにでもないにも関わらず、完成された何かの真理の内側に向かって絡みとられることが常に起き…

Kant

Kant No.1 Da,das,worinnen sich die Empfindungen allein ordnen,und ingewisse Form gestellet werden konnen,nicht selbst wiederum Empfindung nur a posteriori gegeben,die Form derselben abermuss zu ihnen insgesamt in Gemute a priori bereit lie…

稲田防衛相への手紙

稲田防衛相への手紙 稲田防衛相は、靖国神社参拝について、「心の問題であり、行くとか行かないとか、行くべきとか行かないべきとか、言うべきではないと思っている」と発言しました。「心の問題」とは、他人からみられないという権利の問題のことです。これ…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.5

ジェイムス・ジョイスの世界 No.5 「ユリシーズ」の最初の三つの挿話は意識の流れの手法で書いた「若い芸術家の肖像」の延長として再び読む必要が本当にあるのだろうか?スティーブン・ディーダラスが「抜け出た」という意味が問われるその「マーテル塔」に…

だれが日本ファシスト達を見逃してしまったのか

政治家・文部官僚・軍人・(「天皇機関説」を否定した)憲法学者・思想家・宗教家など日本ファシズムを具体的な形で推進した人々がリアルに存在していたのである。下の資料はその証拠の一つである。ところが丸山真男は自らこだわりを示したヨーロッパ市民社…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.4

ジェイムス・ジョイスの世界 No.4 意識の流れstream of consciousnessとは、とどまることなく絶えず流動していく人間の意識の動きのこと。意識の流れの意味を問う「ユリシーズ」の挿話「さまよう岩々」において、ただひとりの意識の流れに限定することなく、…

「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」という稲田明美の発言の意味

「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」(稲田明美) 最悪の神話的思考ですね。わかりませんが、正直わかりたくもないところですが、「古事記」の読みに関係した「日本神話」からくるものなのでしょうか。「日本神話」の日付けは非常に新しいので…

ジェイムス・ジョイスの世界 No.3

ジェイムス・ジョイスの世界 No.3 「川は流れる。「イブとアダム教会」を過ぎ、弧を描く河岸から湾曲する海へと向かい、再循環する心地よいヴィーコ・ロードのわきを進み、ホース城とその周辺へわれらを連れ戻す」(’フィネガンズ・ウェイク’宮田恭子訳) 。…

巻き込まれながらいかに巻き返すか

巻き込まれながらいかに巻き返すか 日本会議というのは、左翼の手法をまねした右翼全共闘運動だからすごいんだと分析されていますが、新聞広告・署名・講演会という左翼のやり方はもう時代遅れになってきているというのに、まだそれをまねしているようでは日…