2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧
ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.31 ”真の暴力とは精神的事象である。およそ創造行為とは、それに手をかける人間にとって、現実的な脅威を伴うものである。だからこそ作品は、観客や読者の胸を打つのだ。重みも暴力も差し控えるようになった思想は、そ…
ジャン=リュック・ゴダールの世界 No.29 「・・・人間たちの一人一人にある。もちろん、わたしもそのうちの一人だ。乗乗り越えがたいイロニーに引き裂かれて、怒りにかられるほどまでに。さもなければ、叫んだりはしまい。だが、沈黙が人間に与えられたの…
ジェイムス・ジョイスの世界 No.19 Was there one point on which their views were equal and negative ? 両者の見解がひとしく否定的であるような一点が存在したか? The influence of gaslight or electric light on the growth of adjoining paraheliotr…
言葉と物のコンパクトな世界 No. 19 「けれども、このようなしるしをとおしてのみ古典主義時代の思考を認知するということは、その基本的配置を無視することであり、こうした顕現とそれを可能にしていたものとのあいだの関係を、完全になおざりにすることと…
ジェイムス・ジョイスの世界 No.18 Were their views on some points divergent ? 彼らの見解はいくつかの点において食い違ったか? スティーブンは栄養素と市民として自立することの重要性を説くブルームの見解に公然と異論を唱え、ブルームは文学のなかで…
「論理哲学論考」はいきなり終わる。語りえぬことは沈黙するしかない。沈黙は倫理行為が哲学(論理)に定位できないとほのめかすように饒舌に語る。このウィットゲンシュタインの取り組みは、近代カントの問題意識を現代化したものだろうと私は考えている。問…
言葉と物のコンパクトな世界 No. 18 ゴダールのパレスチナ映画とか、「ユリシーズ」が現在書かれるとしたら主人公はアラブ人だろうという文学批判とか、ヨーロッパの知識人がイスラムに言及するときは、映画・小説の作り方を云々しているのではなく、ヨーロ…
In praise of the revival of Irish literature アイルランド文学を称える ダブリン時代、ミルトン・シングを勉強する夏合宿で、スウェ―デンからやって来たお兄さんと知り合った。演劇を研究しているが、昔ロックをやっていたというだけあって反骨で皮肉屋さ…
理念<多としての普遍主義>は十分に美的理念(芸術)を説明しているだろうか?常に気にしています。わたしの思考不足でまだ十分な答えがありませんが、理念<多としての普遍主義>は、自然を素材にして実現する理念ではなく、歴史に実現する理念だと少しづ…
ジェイムス・ジョイスの世界 No.17 ーアイルランドとはなにか? Inventing Ireland というテーマは、アイルランド時代の関心でした。Declan Kaiberdが90年代に書いた本の表題ですが、だれがアイルランドを発明したのかというアイロニカルな問題提起でした。…
「人間は、負けるように造られてはいないんだ。殺されることはあっても、負けることはないんだ」 Man is not made for defeat. A man can be destroyed but not defeated - The Old Man and the Sea』 オリンピックのために、大正時代に建てられた原宿駅が壊…