2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ロンドンとはだれか?

ロンドンとはだれか? 現在イギリス人は庭仕事の範囲にしか関心がないが、かつて大英帝国の名をもったイギリスはフランスと一緒に地球を半分ずつもったのである。第一次世界大戦後のイギリスの金本位制の中心へのノスタルジックな復帰は、もはや米国の時代に…

北アイルランド

‪DUPは、北アイルランド地域のアイルランド帰属を拒んできた、アナクロニズム的に英国の起源にこだわる英国側ナショナリストで、英国のEU離脱を支持している。今回過半数割れしたメイ首相の保守党との政権連立を形成する予定である。このことによって、EU圏…

「新しい時代の始まりをどうやってみるのか」

あなたも、このわたしも、自分が一体どういう時代に生きているのかと大きな関心をもっています。だからだれもが「新しい時代の始まりをどうやってみるのか」が気懸りなのです。ここでわたしが話しているのは、近代の発明物である歴史というほどの体系の側に…

内閣支持という名のナショナリズムの病

「なぜあなたは支持しているのですか?」 「ほかよりいいからです」 「ほかよりいいとおもうその理由はなにかときいているのです」 「支持しているからですが」 「この道しかない」しか言わないこの政権について、「なぜ他よりいいのか」といくらきいても、…

大江「一国」知と柄谷「帝国」知の問題

イギリスの選挙結果を読むと、ヨーロッパはナショナリズムの一国主義の方向に限界をみているようだ。ヨーロッパはグローバル資本主義に対して新しい普遍主義を構築するが、ナショナリズムによって非常に悪い形に歪められるかもしれないのは、アジアも同じだ…

契沖

‪契沖の名は、小林秀雄「本居宣長」で知った。彼を説明した伝記を読もうとは思わないが、小林のせいでなにか気になる人物である。契沖は世に失望して、長い年月人の家で本を読んだらしい。その家は連歌のネットワークを支えていたということを昨日知った。一…

新しい時代の「始まり」をどうやってみるのか

新しい時代の「始まり」をどうやってみるのか、非常に難しいです。ハンナ・アーレントはこう言ってました。「すでに起こった事にたいしては期待できないような何か新しいことが起こるというのが、「始まり」の本性である」。

英国選挙の結果から何を学ぶか

もしデモクラシーのことを指摘したいならば、英国選挙の過半数割れは、どの党もだめだという認識を伝えたのである。こちらも、どの政党にも失望していると伝えるつもりならば、自民党内閣への惰性的な支持をやめることから始まるだろう

天皇制的近代国家とは?

1、毎月第二週の土曜日は子安氏の現代史の講義。これはずっと早稲田大学小教室でやっていたのだが、現在はとりあえず早稲田奉仕園の会議室を借りて行なっている。この土曜日は仲間とワイワイガヤガヤとやっている日で、お酒もまわってか興奮で眠れない。何を…

アイルランドの英語

よくきかれるのですが、「アイルランドの英語は大丈夫か?」といわれるのは当惑してしまいます。言語の単一性の観念ーそれ自身近代のあり方ーに無自覚に依存しているというのでしょうか。アイルランド英語が15世紀の入植者たちがもちこんだ英語、イギリス…

共謀罪

安倍共謀罪で問題となってくるのは、権力の作用がどこに向けられているのか、その対象が不在だということならば、そういう意味で、この安倍共謀罪は、これまで「XXX共謀罪」という名で判例又は立法化されていた、法の適用する対象が存在しなければならなかっ…

特殊同士の対立とロゴスの対話的構築

フランス人のハラハラするほど対立し合う同士は共に食事の語らいの場を充実させることができます。それはわかるが、対立というのは、どうもね、日本を日本にする「和」の伝統と文化に沿わないものなのですよ。ほんとうにそうでしょうか?特殊同士の対立とロ…

イギリスの選挙

与野党の逆転劇は起きなかったが、EU離脱の一国主義を推進しようとメイ首相がうってでたギャンブル選挙は失敗。コービンの労働党に巻き返されたようだ。イギリスの選挙の結果を一言でいうとこれでしょう。 "It looks like their voice has been heard.”

「誠」の字

「誠」の字は上の人が読んでた少年マガジン連載漫画「愛と誠」ではじめて知った。世間からは不良と呼ばれているけれど心は真っ直ぐな(とお互いに承認しあっている)イケメンのお兄さんとキレイなお姉さんの活躍を描いたエモーショナルな世界。そういう世界が…

Lawrence " Lady Chatterley's Lover" を読む

Being a girl, one's whole dignity and meaning in life consisted in the achievement of an absolute, a perfect, a pure and noble freedom. What else did girl's life mean ? To shake off the old and sordid connexions and subjection. (...) The b…

「共謀罪」を読む

1、現代思想はスピノザに負いますが、彼の展開した古典的リベラルの思想を切り離してはいけないと思います。古典的リベラルの思想は、現代思想がスピノザに見いだすような思考の豊穣な多様性がなく、文章も単調でフラットですが、非常に大切なことがいわれて…

共生のデモクラシー co-habitance of different values

はっきりとだれも話しませんが、多分アメリカの大統領は終わったのでしょう。だけれど司法(連邦裁判所)とジャーナリズムが言葉の力でトランプをやめさせようとしていて、あるいは彼を孤立させようとしていて、そう簡単にはニューデイールから確立した戦後…

‪アジアから消滅してゆく縦書き

‪消滅してゆく縦書き。一緒に、縦書きで考えるスペースも消滅か?ネット化で、アジアから縦書きが消滅。現にここも縦書きで書く人はいないのです。日本の新聞と国語の教科書も時間の問題でしょう。特に新聞が横書きへいけば。そういうなかで、『論語』をヨー…

和辻哲郎「ホメーロス批判」を読む

文献学で解剖して現象学的解釈学で読み解いて構成されることになった、和辻の言葉では原「オデユッセイア」は、なんかなあ、学問プロの仕事よね (専門知『バベルの塔』みたいなところがある。) ギリシャ人がギリシャ人となるためには?という問題提起に答え…

音楽

人類の社会的諸関係の総体と同じ大きさである、つまりそれと等価の、環境としての音楽の場所がある、これが21世紀のあり方です。 「フォイエルバッハは、宗教性を人間性へ解消する。しかし、人間性は個々の個人に内在する抽象物ではない。その現実の姿では、…

ジョイス「ユリシーズ」の近代を読む

普遍主義といえば、ヨーロッパ。その中心にフランスとドイツとイギリスがある。そういう国々の中心的近代は自らを(自らが想像した)古代に表現しようとする。日本近代と大和王権の関係がそうである。(現代人は古代劇の仮面を以て自らの姿を隠す、あるいはそれ…

アイルランド首相

‪アイルランド中道左派政党から三十代インド系アイリッシュが首相になる。父がインド人の医者、母がアイリッシュの看護婦で、彼はゲイである。ちなみに私がアイルランドにいたときはまだ、オスカー・ワイルドを同性愛の罪で罰した英国の法律が実効性はなかっ…

『論語』の最後の言葉

‪「子の曰く、詩に興り、礼に立ち、楽に成る」(泰伯)は、予定調和的に完成された世界の均衡を表現しているとおもう。好きな言葉である。だけれどケインズが問題提起したように、均衡というのは不完全な状態の所で安定してしまう、常のこととして、このことが…

‪昨夜は初めて能楽堂(代々木)に行った。隣の女性が読んでいた台本を時々覗きながら舞台をみていたが、そのうち書かれたものがどうでもよくなって、声の舞台ともいうべき超越した?異空間を茫然と眺める。これを見ながら、ドラマが衰退していったきオペラとは…

21世紀の「象徴天皇制」を読む

21世紀の「象徴天皇制」を読む 「特例」か「先例」か、一代限りかそうでないか、とにかく「退位」は「退位」。しかし誰も語ろうとはしないが、問題となっているのは、一体誰が何から「退位」しようとするのか?そして誰がだれに向かってこれを語るのか?この…

21世紀の「象徴天皇制」を読む

21世紀の「象徴天皇制」を読む 一代限りでもそうでなくとも「退位」は「退位」、しかし一体だれが何から「退位」しようとするのか?天皇制は国家祭祀と同様に心の問題に属してはおらず、それは明治維新から始まる構造の問題である。一人ひとりがその構造から…

21世紀と象徴天皇制を読む - 歴史/転移の構造/思想

‪何を言っても無駄だというのが乱世だとしたら、今がその乱世である。だけれど黙っていることもどうなんだろうかという感じである。長州が勝手に京都から連れてきた、明治の元勲にとっては自らをそこに表現するという政治利用できる操り人形でしかなかったも…

共謀罪

情報公開がなければ、「日本の大多数」は、自分達は一切責任がない、全部あなたたちの責任だと、情報を独占する「エリート」に言う権利がある。情報の非対称性のもとで批判を許さない社会で起きる問題は全部、「エリートの責任」だ。ところが共謀罪を認めて…