「弁名」ノート No. 8. ( 私の文学的フットノート)
聖人の制作になる諸名辞の
なんと大きいことよ
儒教言説で読み解く世界の
なんと小さいこと
「朱子にあって道とは内なる道理であり、外なる秩序であり、人の内外を貫く規範である」「道路という譬喩は仁斎では人間の日常的往来交通という交通適用世界を表象するものとして用いられる」(子安)。徂徠は「道は統名なり」という。子安氏の評釈によると、「道とは仁でもあり、義でもあり、礼でもあり、楽でもある。『弁名』が列挙する聖人の制作になる諸名辞を統合したものが道だということになる。人間の文化的であり、政治的でもあるこの世界が聖人の制作になるものとすれば、道とはこの人間世界と等しい大きさをもった概念だということになる。」。以下子安氏の訳