21世紀の「教育勅語」はいかに読まれているのか

明治の国家日本の天皇が臣民(国民)に教育を与える体制は、明の皇帝が臣民(官僚)に学問を与える形を完成させたようにみえる。色々と起源さがしが始まっているようだけれど、そこで考慮しておかなければならないのは、差別を生み出す「教育」そのものが国家を作り出したヨーロッパ近代の形でもあるということだ。そしてもっと重要なことは、19世紀・20世紀の言説的産物が21世紀において新しくふたたびいかに読まれることになったかである。21世紀の空威張りする「教育勅語」は、「いいことも書いてある」などと文化人をはじめとする寄生的人間に奉られる一方で、露骨に強欲なネオリベ・エリートの高慢心の奴隷となっている