言葉と物のコンパクトな世界 No. 29

  • フーコ「言葉と物」の’人文諸科学’に分析された、レヴィストロースの三角形から着想を得たような三つのモデルとは、「経済学⇔社会学/葛藤⇔規則」、「生物学⇔心理学/機能⇔規範」、「文献学⇔文学・神話/意味作用⇔体系」である。それぞれについては、渡辺氏の訳で読んで追うことができる。

  • 「経済学⇔社会学/葛藤⇔規則」は、最近読んだ「ブラック・ショールズ理論」を解説した本の内容にも関わることだろう。また「生物学⇔心理学/機能⇔規範」は、ゾンターグ「エイズとその隠喩」の内容に、「文献学⇔文学・神話/意味作用⇔体系」はレヴィストロース「野生の思考」の内容に関わると思う。

  • 間違いを恐れずにいうと、ここでフーコが言いたいのは分裂と歴史を基礎づける根源的分散である。かれの「知の三角形」の規底に人間が存在しながら、それが労働し欲求し語る人間を指示すると人間の分散が起きてしまう。オリジナルが、そのコピーであるモデルの中に自己自身を言い出すような不確定性

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