香港の声なき声とわれわれ

 

 国の秩序に反するから立ち退きしたまえ!は、国に本当の意味で秩序がなければ理性の知を動かせません。国が乱れているからこそ、立ち退かない愚者としてふるまうのですから。国に都合がいい「公」から身をひき、そうして晴れでも「傘」をさして街頭に立つのですー 天の「公」をもとめて。(アジアでは「公民」というのは、「市民」という意味になりますから注意しましょう)。ここでもし人々は愚者としてふるまうことすら絶望的に無意味だと知るときはどうするか?やはり国を捨てて逃げ出すしかありません。もちろん、これは、3・11以降、隣国の話として他人事では片づけられなくなってきました。香港の声なき声は、一党制の政治にたいする抗議。香港は自らを代表する声を奪われる危機に直面しています。同様に、(中国から独立しているはずの)台湾においても中台貿易協定にかんして自らを代表する声を奪われようとしています。最近の台湾のデモに香港から大勢の支援者が来ました。そうして考えると、なんとか!複数政党制が維持されているとはいえ、原発体制の一体構造(政財官マ裁)の体制も、”安全神話"のような捏造された合意を押しつけてきました。この恐怖は現在進行中です。さてこの安倍の原発体制に異議申し立てしていくには、原発問題を徹底的に国際問題化していくことが必要であるように、現在アジアの学生たちも、国際的連帯を必要としています。具体的には、日本はどのように報じているのか、人々が関心をもってくれるのかがかれらの大きな関心です。残念ながら、いまのところは、まだ香港と台湾の問題を自分の問題としてとらえきれていない人びとが多数派です。いかに自分たちの問題として構成していくのか?これについては一言で十分。現在台湾と香港の中国との関係は、TPPや集団的自衛権など日本のアメリカとの関係とパラレル。目覚めるときです。彼らの直面している全体主義の構造の問題は、たしかにわれわれが直面してくる問題でありますから。