ブレッソン「やさしい女」の感想

ブレッソン「やさしい女」の感想

今日は新宿で映画「やさしい女」を観ました。映画を見終わったあと、私の気のせいでしょうか、六十年代後半のパリのあの言い難い雰囲気は永遠に変わらないようなのですが?ただ、モノの価値を測るという目的がはっきりしている質屋、有無をいわせない圧倒的客観性の自然史博物館。はたしてこのような没文学的の道具的世界を象徴する場で、文学のどんな会話が可能なのか映画を見る前は全く想像もつかなかったのでありますが、見事に、人間の存在だけを真っ直ぐにみつめた、ドストフェスキー&ブレッソンの独白の世界が知的に展開していました。