悪夢を読む ーファシズム前夜の日米比較

悪夢を読む ーファシズム前夜の日米比較

大統領選挙のアメリカは現在、トランプ共和党候補に大きく揺さぶられていますが、これを観察するチョムスキによると、かれの登場はネオリベの必然的結果だとみたうえで、過去のヨーロッパのファシズム前夜を喚起するほどだと言います。▼ここで過去のファシストの手口を考えると、三つ指摘できます。非政治化(depoliticization)、教説化(deep indoctrination)、包摂化(comformist intelligentsias) です。▼政治を非政治化するそのやり口ですが、これについては、トランプの誰に対して何を約束しているのかが曖昧な演説の危険性が指摘されます。(Fascism promised people deliverance from politics. Fascism was not just different type of politics, but anti-politics) 日本の場合に即して考えますと、安倍応援団の政治団体が神道を習俗化することで国家神道を事実上復活させようとしていますね。▼二番目に、教化を通して心の中心から洗脳してしまうこと。これは、非常に高いレベルにあるといわれる「自由」と「民主主義」のアメリカのパラドックスかもしれません。日本会議の文化人・作家たちの影響力は(反論されることがないために)、政治家よりも強力な効果を大衆にたいしてもつことがあります。▼最後に、知識人達を包摂してしまうことです。戦前のときは、いきなり知識人が戦争協力を表明することは起きませんでした。まずマスコミがだんだんと戦争強力を行い、その後に、堀を崩された知識人達が戦争協力を行うことになったと証言されています。自己検閲の問題もあります。