‪ゴダールの『彼女について私が知っている二、三の事柄』(Deux ou trois choses que je sais d'elle 1966 )

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ゴダールの『彼女について私が知っている二、三の事柄』(Deux ou trois choses que je sais d'elle 1966 )。

パリ郊外の新首都圏拡張整備計画に従って建設された公団住宅で起きている主婦売春の話である。映画は、地球環境を破壊しながら消費社会のパリ全体が売春宿化している、新自由主義グローバル資本主義を構造的に理解することを試みる。ベトナム戦争、情報の客体になってもコミュニケーションの主体になれない構造の網目、近代の進歩の神話の終焉。全体性への回帰の恐怖。‬

ゴダールの独白ーコーヒーカップの中で生成する、ミルクの渦を眺めながら、ウィットゲンシュタインの言葉を呟く。トータルな視点から、直面している問題を捉えて、連関し合う事実の全体像を倫理的に考える。‬