子安宣邦氏『日本人は中国をどう語ってきたか』(2012)

‪私を惹きつける本は、他者との関係から自己との関係を新しく構成しようとして、その他者と共に考えようとするー現場から送ってくる電報の言葉も拾うーというわれわれが通過するそんな扉をもつ本である。『日本人は中国をどう語ってきたか』(2012)の題は、『われわれは中国をどう語ってきたか』の方がよいとおもう‬。現在進行形で、中国という言説は、それを語る主体(アジアのわれわれ) を発明してくるのであるということを学ぶことのできる本だからである。