映画は考えられないことを考えるためのもの。文化は考えることができるものを考えるためのもの。

映画は考えられないことを考えるためのもの。文化は考えることができるものを考えるためのもの。

ゴダールでは、文化とテレビは同一視されている。そして、浅田彰が東との最近の対談で、そうした文化のテレビ的画一化が構造にほかならないという。構造とは文化論的言説のこと。さてこうした構造から逸脱していくのが、芸術であり、(「思考」と翻訳されている)思想である。芸術と思想は、ゴダールにおいては区別がない。したがって、映画の歴史というとき、映画と歴史で意味するものはそれぞれ思想と思想史である。だから映画史は思想史。その課題は、ネガティヴな批評性であり、(考えることができる)ポジティヴな文化を徹底的に否定していくところにある。文化のテレビ的画一化に反抗して、映画は考えられないことを考えるためのものなのだから。Le cinéma est fait pour penser l'impensable.

映画は考えられないことを考えるためのもの。文化は考えることができるものを考えるためのもの。

ゴダールでは、文化とテレビは同一視されている。そして、浅田彰が東との最近の対談で、そうした文化のテレビ的画一化が構造にほかならないという。構造とは文化論的言説のこと。さてこうした構造から逸脱していくのが、芸術であり、(「思考」と翻訳されている)思想である。芸術と思想は、ゴダールにおいては区別がない。したがって、映画の歴史というとき、映画と歴史で意味するものはそれぞれ思想と思想史である。だから映画史は思想史。その課題は、ネガティヴな批評性であり、(考えることができる)ポジティヴな文化を徹底的に否定していくところにある。文化のテレビ的画一化に反抗して、映画は考えられないことを考えるためのものなのだから。Le cinéma est fait pour penser l'impensable.
 
<肯定性 positif はわれわれが生まれたときからわれわれに与えられている>と、あのかわいそうなフランツは書いているー彼は友人のマックス・ブロートに、自分が書いたものはすべて焼き捨ててくれと頼んだのだが、友人はそれに従おうとはせず、従ってわれわれはカフカの作品に親しむことができる。そして「変身」のこの作家はこう付け加えている。<今度はわれわれが否定性négatifをつらぬかなければならあに>と。
そしてこれこそ、まずネガをつくるというところにこそ、映画術 cinématographieの起源の独自性 l'originalité de l'origine がある。これはエディソンがしなかったこと、そして、カメラを発明する前に映写機を発明した、オーギュストとルイがしたことだ。まさに、この世に行く前にこの世に来る必要があるのだ。 Il faut bien venir au monde avant que d'y aller そうではないだろうか。そしてわれわれは、世界に対するわれわれの権利はーそうしたものが存在するとしてー、その存在を世界に対するわれわれの義務にだけ負うているということを理解しなければならない。nous render compte que nos droits sur lui, s'ils existent, ils ne le doivent qu'à nos devoirs

<Le positif nous a été donné notre naissance>, écrivait le pauvtre Franz - qui priason ami Max de détruire tous ses livres, mais l'ami désobéit et c'est ainsi que nous connaisons l'oevre de Kafka. Et l'auteur de La Métamorphose ajoutait ; < A nous de faire négatif>
Voici donc l'originalité de l'origine de la cinématographie; faire le négatif d'abord.Ce que n'a pas fait Edison.Mais Auguste et Louis, qui inventèrent le projecteur avant la camera. Il faut bien venir au monde avant que d'y aller, n'est-ce pas. Et nous render compte que nos droits sur lui, s'ils existent, ils ne le doivent qu'à nos devoirs.
Godard ( JLG/JLG autoportrait de décembre)