アメリカン・ドリームとチャイニーズ・ドリーム

ジジェクによると、夢(dream)という言葉は、ヨーロッパ人は米国人ほどには口にしないという。ところでファシズムは、ハリウッド映画('夢の工場')と対抗するかぎりにおいて生きながらえた。その結果'芸術としての政治'という最悪の夢を現出させてしまったというわけです。さて今朝海外の新聞をみていたら、中国が国際市場に向けてなんとチャイニーズ・ドリームを発表したというのですね(中身は儒教的語彙で説明されている)。ソ連崩壊後、アメリカン・ドリームとチャイニーズ・ドリーム、資本主義は世界に遍在しています。ただし中国が西欧世界と決定的に違う一点が、土地の私有制をみとめていないということ。土地所有なき資本主義、これは何を意味するのか?五百年前にフィレンツエとかべニスで始った資本主義が最終的に、アジアにおいてこのような形をとる必然性があるのか?誰が資本主義を語るのかという問題も視野に入れて、法と社会の関係をめぐるこの未知のテーマは研究するに値するでしょう