KAHLO FRIDA ー ニ〇世紀思想史はいかに芸術史を語ったか

KAHLO FRIDA ー ニ〇世紀思想史はいかに芸術史を語ったか

ニ十世紀の半ばまでアートのメインストリートは、抽象主義のキュビズムの影響の範囲にあったのですが、そういう意味でロスコやボロックなどはキュビズムのヴァリエーションでしかないと私はエラソーに言い切ってしまうわけですけれども、このキュビズムをはじめて乗り越えていったのは、ほかならない、フリーダであります。ひとりで乗り越えただけなく、アートの外部から、('近代'の孕む男性原理の植民地主義の)マッチョな方向に絡み取られていったアートのあり方を構成しなおしていくなにかを積極的にもっていたので、これからも益々重要なのではないでしょうか。印象派とか象徴主義の作品以外は興味がなかった方々も、フリーダーのルソーの絵と比較してみると大変面白いとおもいます。類似していますが、還元できない、poetとmagicの間にある、アイデンティティーの複雑さを興味深く観察できるかもしれません。ロンドンの詩をつくる女性たちーわたしの師匠だったロンドンで活躍していたWelshの中国系フランス人もーにとっては尽きることのないインスピレーションの源です。