浩宮さんは歴史修正主義の政治家と文化人たちにたいしてなにを言おうとしているのでしょうか?

浩宮さんは歴史修正主義の政治家と文化人たちにたいして、なにを言おうとしているのでしょうか?

日本の政治家と文化人たちのワンパターンに、遺族になったつもりで語るやり方があります。この遺族の語り口は政治家と文化人の語りにある種の特権性を与えます。そうしていつまでも死を強調しすぎるから自ずと右翼的になっていくのです。実際にこれによって恐怖のうちに右翼につけ込まれふりまわされてきたのではないでしょうか。ただ自己の名誉心の内部に勝手にこしらえた「英霊」の声を聞きすぎる一方で、<戦争を終わらせる>と誓った憲法の理念性を住処としている死者たちのことを理解しないならば、ただ一国の都合で書き換えてしまうということが起きるのではないかと思います。このことは何度でも言います。人類が戦争の歴史を書いた以上、一国の都合で書き換えることなどは倫理的に不可能なことであると言わざるを得ません。